「No.556 ひまわり8号に写っていた隕石落下2018/12/19 (JST)」に続いてNASAの地球観測衛星テラ(Terra)の画像も既知情報ですが記録として追加しておきました。
画像は人工衛星テラのMISR(Ref 1)及びMODIS(Ref 2)の各装置によるものです。出典はNASAジェット推進研究所等の情報源でそのリンク先(Ref 3~10)を上げておきます(同じような画像が重複)。
この隕石(火球)はデータ分析から高度26km上空で爆発したと推定されています(Ref 3,4,5 and 6)。爆発エネルギーは広島型原爆の10倍以上、2013年に話題になったロシアのチェリャビンスク隕石火球に次ぐ40%相当で過去30年間で二番目の大きさ。
本情報の発表は2019/03/21~2019/03/23ですのでNo.556と同じタイミングで数ヵ月経過後です。きっかけは世界的ネットワークによる核爆発検知(低周波検知)データによるとの記事(Ref 11)も目にしましたが、いずれにしても2018年12月の事象直後の公表ではなく、やはり目撃情報がなかったことが大きな理由としてあげられます。
その後NASAはここ近年では大きな隕石突入、火球だったとして地球接近天体/火球データベース(Ref 3)に加えています。
落下地点の全体像を図1に示します。人工衛星テラのMODIS装置によるもので2018/12/18 23:50(UTC)の画像です(Ref 5)。黒い影に注目されますが右下に白地の隕石痕(雲)が写っています。その黒い線はその隕石痕の影と推定されています。
さらに3D立体写真(Ref 7)、アニメGIF画像(Ref 5)も公開されています。3D立体写真は赤青メガネで見られますが確認していません。どのように見えるでしょうか。
図2にその3D立体写真を示します。
アニメGIFは上記写真の影、火球痕の雲の領域を拡大表示したものです(Ref 5)。注目したのは隕石雲の形、姿です。これを静止画で確認するため分解しました。5枚の画像のうち1枚目と5枚目の画像をそれぞれ図3と図4に示します。
画像ではオレンジ色の痕(雲)が良く写っています。図3は突入後2018/12/18 20:55(UTC)の画像になります。黒い線の右下に白い隕石雲と思われる姿が写っています。白く、オレンジ色も混じっており、No.556のひまわり8号の画像と似ています。
図4の5枚目の画像では隕石雲が長く伸びているように見えます。白地よりもオレンジ色の方が際立っています。
ここで図3と比べると図4の方が黒い影と隕石雲の間隔が狭くなっていることに気が付きました。このGIF画像は時間変化のイメージの理解のためと捉えていましたが、それだけではなくて撮影している角度の差が加わっているように思われました。観ている角度が変化した画像にもなっていることです。
テラ衛星MISRは9台のカメラが取付けられており(Ref 8)、それぞれのカメラは衛星真下に向けられているカメラから角度を変えたカメラで撮影していることから類推されたものです。しかし推定であり確かな情報ではないことに注意する必要があります。
Reference
(1) MISR:Multi-angle Imaging Spectroradiometer 複数角度分光放射計(Ref 8)
(2) MODIS:Moderate Resolution Imaging Spectroradiometer 中分解能撮像分光放射計(Ref 8)
(3) https://cneos.jpl.nasa.gov/fireballs/
(4) https://www-misr.jpl.nasa.gov/
(5) https://www.nasa.gov/feature/jpl/nasa-instruments-image-fireball-over-bering-sea
(6) https://www-misr.jpl.nasa.gov/multimedia/collectionImagery/index.cfm?ImageID=402
(7) https://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA23050
(8) https://ja.wikipedia.org/wiki/テラ_(人工衛星)
(9) https://www.jpl.nasa.gov/news/news.php?feature=7355
(10) https://www.jpl.nasa.gov/spaceimages/details.php?id=PIA22825
(11) https://www.cbc.ca/news/technology/meteor-bering-sea-1.5061525