12P/Pons-Brooks彗星が遠ざかる一方、太陽に近づき注目されている彗星があります。紫金山(ツーチンシャン)・アトラス C/2023 A3です。秋に見頃になると期待されていますので楽しもうと思っていましたが、今でも彗星の遠い姿になりますけれど撮影例を見かけましたので、撮ってみようと。

横浜の空は明るく、ましてや10.4等級(ステラナビゲータ12表示)の暗い彗星は無理かと思いましたが、Seestarで挑戦。昨日は薄い白い雲に所々覆われましたが、撮影時は北から南東の空がぽっかりと空きました。撮影は1時間ほど彗星の他、M 104(ソンブレロ銀河)およびM97 (ふくろう星雲)にも向けて。南東の空にはアルクトゥールス、スピカが見えていました。

この日のSeestarも完璧でした。導入、追尾、撮影のすべての段階で一発処理、戻り無しシームレスの手間いらず。

45枚の画像を本体からコピー、JPGファイルの方を利用してDeepSkyStackerでDrizzle ×2にして処理。画像1は彗星基準、画像2が恒星基準のスタック画像です。フィールドローテーションなどがありますのでトリミングしてコントラスト等調整。

画像1では彗星の尾も写っています。恒星は少しだけ線状になりました。画像2は逆に彗星が少しだけ線状に。

ステラナビゲータ12で彗星を追いかけると横浜では7月中旬以降、8月、9月、10月中旬までがほとんど日中ですので、今から6月および10月中旬以降が撮影チャンス。今が遠い姿の撮影として最適な時期かもしれません。

画像1 Tsuchinshan-ATLAS(C/2023 A3) Seestar20秒15分間45枚 2024/05/02 20:13~20:39 DeepSkyStackerで彗星基準で処理

画像2 Tsuchinshan-ATLAS(C/2023 A3) Seestar20秒15分間45枚 2024/05/02 20:13~20:39 DeepSkyStackerで恒星基準で処理