先週、パンスターズ彗星/Pan-STARRSが近日点(2026/04/20)を通過し、その後、数日経過して太陽コロナ観測衛星SOHO LASCO C3および人工衛星GOES-19/CCOR-1の画像に写り、その写野から外れるまで楽しみました。この間に作成した画像等を含め記録とします。

参考情報として、SOHO LASCO C3はラグランジュL1点で地球から150万kmの位置、GOES-19は地球から約3万5千km離れた赤道上空位置の静止衛星、そこからの撮影画像になります。SOHO LASCOは地球・太陽間を結ぶ直線上のほぼ定位置からの観測、GOES-19/CCOR-1は地球の自転に合わせ、その変化に対応して太陽を追跡しながらの観測。LASCO C3の画角は約8°(直径で約16°)、LASCO C2には今回画角に入りませんが約2.24°(同4.5°)、CCOR-1では約5°(同10°)です。これらの数値は上記リンク先ページで確認できます。

さて、最初にステラナビゲータ12によるSOHO LASCO C3画像に写るタイミングを確認、結果を画像1に示します。画像中の時刻は世界時UTで表示しています、日本標準時JSTにするには+09:00をプラス。彗星の像は04/23 00:00から12時間間隔で04/27 00:00UTまでを表示、日付のみ示している時刻は00:00UTです。C3画像の写野角は直径で18°と仮定、公式には16°との記述ですが衛星の軌道修正等のためでしょうか過去の実際に写った恒星位置等を基にすると時々変化しているようで現実的には18°程度が良く合いましたのでそのように仮定したものです。

画像1の予測では04/23 12:00UT(19:00JST)の前に画角内に入り、以後、04/27 00:00UT(09:00JST)まで見られそうなのでその期間を時々確認することにしました。実際の画像でも記しますが彗星の尾、ダスト、イオンテイルの方向、また、近日点は04/20ですのでこの画像の右コーナー方向で画角外の位置にあることに注意。

画像1 パンスターズC/2025 R3彗星の太陽との位置関係 黄道座標表示 SOHO LASCO C3画角との組み合わせ

次に実際に撮られた彗星を画像2に示します。中央の白い円は太陽輪郭を示し、遮光のため一部マスクで隠されています。2026/04/23 11:54UTの画像には白く彗星の核が写り込んでいます。画像1に示した予想と大差はなかったようです。もう少し詳細にとC3画像をWebデータベースから個々に確認したところ、2026/04/23 11:18UT(11:06UT)に彗星の核が写り始め、2026/04/26 19:54UT(19:54UT)まで写っているように見えました。括弧内の時刻はNASAデータ集から確認したもの。

彗星の尾に注目するとダストテイルは明確ですがイオンテイルが見えていません、比較明処理の影響かと元の画像をよく見ると写っていることがわかりました。その部分をちょうど1時間間隔で画像が公開されていましたので画像調整し、イオンテイルが見える様にしました。その結果を動画1に示します。画像1と比較すると同じ方向に伸びる尾が見られています。C3画像でイオンテイルが見え始めたのは彗星が太陽の南方位に近づいてからでした。それ以前は明確ではありません。

彗星は画像面奥から太陽を回り込むように地球に近づき、04/23~04/27間では太陽と地球間(黄道南北極方位から見ると水星と金星の軌道間に)で黄道面を04/24 12:00UT前には通過したようです。この軌道のためかイオンテイルは太陽を回り込むように見え、続けて太陽と反対方向に伸びるように変化しているように見えます、これは面白い画像でした(イオンテイルは太陽の反対側に対応しています)。

画像2 パンスターズC/2025 R3彗星 SOHO LASCO C3画像から

動画1 パンスターズC/2025 R3彗星 核の先端に細く白く見えているイオンテイルの変化 SOHO LASCO C3による

上記に示した画像、動画は二次元の表示で彗星の軌道のイメージが理解しづらかったので三次元でこの彗星の動きを示したいと思いました。ステラナビゲータ12の太陽系表示モードを選択し描画したものです。その結果を画像3に示します。彗星が黄道面を通過する時点の表示で、赤い線は黄道、視点を黄道面北側から見た場合から始まり、続いて4ステップ目で黄道面が水平になる図としました。だいぶ軌道のイメージができたので改めて上記画像等のデータを見て、このように見えているのか等を楽しみました。

画像3 パンスターズC/2025 R3彗星の太陽系内軌道 ステラナビゲータ12による

最後に、参考としてGOES-19/CCOR-1のデータも動画2に示しておきます。本記事のタイトル動画です。2026/04/24 06:30~04/26 06:00の二日間の動きを4秒間で表示しています。太陽コロナの変化がクッキリ表示されていてその中を彗星が通過する様子が面白い、彗星の尾、イオンテイルはこの画像では撮影条件によるためでしょうか(コロナを観測しているので)見ることができませんでした。途中前面ホワイトの画像が表示されますが地球が横切りその際の地球表面の太陽光反射です(アースシャイン)。

動画2 パンスターズC/2025 R3彗星 GOES-19/CCOR-1による 2026/04/24 06:30~04/26 06:00