金星の内合から西方最大離角(2025/03/21~06/01)の期間までを目標に日課としてひまわり9号の画像で金星を追跡してきました。毎日とは言ってもデータは公開ページ(今回は主としてCIRA/RAMMB/JMA関連)に記録されていますので気が付いた時に遡って確認したのが実態です。金星はかなり小さく写っていますので捜し出すだけでも大変な作業ですが苦でもなくむしろ金星の姿、形、大きさの変化を太陽系の惑星軌道を意識しながら見ていると楽しいものでした。

その追跡目標期間は過ぎたのですが2025/06/04に金星が連続して3枚に写りました。タイミング良く、地球北極の上を10分間隔で通過し写りました。静止衛星ですので地球の背景の宇宙空間は自転にあわせて回転して写ります。ほとんどは地球の影に入ってしまいますし北極や南極付近では撮影範囲が狭くなりますので連続で写るのは一日程度と考えられ、たまたま数少ないチャンスとなりました。ラッキーです。

一方、北極の上を通過して見えたことは翌日以降は撮影範囲外になると予想。現実に06/05以降は金星は写っていません。次にひまわり9号画像に入るのは秋以降ですがこの時では外合に向かっての画像になりますし、その姿は小さくなり(現時点の1/2程度)ひまわり9号の解像度では球状に写るだけかもしれません。

その今回最後の三連続トリプル画像を画像1に示します。青い地球に金星(黄色の円で囲んだ)の画像はNICT:情報通信研究機構によるもので三枚を重ね合わせたものです。上の拡大した金星はCIRA/RAMMB/JMAのBand3画像と大気RGB画像を重ねて表示したものです。RGB画像では各色成分が分かれて写っていますので注意、もっともらしい画像の強さに調整しています。中央の11:30UTの金星画像は大気層を通した画像ですので左右とは異なって歪んだ姿になっています。

画像1 ひまわり9号に写った三連続トリプル金星画像 2025/06/04