みずがめ座流星群の時期でしたので久しぶりに星空ライブにてPCモニター観測。原典は「みずがめ座流星群と星空ライブカメラ 長野・木曽観測所から配信中」です。なお、以前のようにアーカイブとしては存在しませんので同様の映像は再現できません。

観測の方法は以前に「流れ星のライブ(朝日新聞社/東京大学木曽観測所)の利用」としてまとめています。

今回はたまたまスターリンク衛星に気が付きましたので、そちらの方を先に整理することにしました。スターリンク(Starlink)は合計10,000個以上もの衛星が打ちあげられる計画ですが、天文研究者、専門家からあまりの多さから衛星本体金属、太陽電池パネルの太陽光反射等で天体観測に影響するのではないかと指摘されているものです。

今回見られたスターリンク衛星は3等級程度の明るさのもので2020/05/07 02:45~03:05の約20分間です(上記ライブでの時刻表示ができるようにはなりました。その時刻による記録では02:28~02:46でしたが下記に示すようにHeavens Aboveの通過情報とステラナビゲータ10の時刻では02:45~03:05と15分程度の差が現れました。ここでは後者の方に時刻をシフトさせました)。

約20分間の映像から比較明処理して得られた画像を図1に示します。すべての衛星は写真上端から現れ、下端の北東に向かって進む軌跡を描きました。

図1 スターリンク衛星群 20分間の通過軌跡像 すべて北東に向かっています

比較のため、ステラナビゲータ10で作図した木曽観測所地点におけるスターリンク衛星群の20分間の光跡を図2に、Heavens Aboveで得られた通過データ(木曽観測所基準)を表1に示します。見られたスターリンク衛星は2020/02/17に打ち上げられたStarlink 4群です。図2に黄色で囲んだ枠はライブカメラの画角に相当します(図全体の上下幅は50度の高度範囲として表示しています)。表1の水色の欄の衛星が通過したものと思われます。但し、現実の写真には中央右側の3衛星が少し右側にシフトしているように見えます。この差の原因は明らかではありません。また、観測写真では横方向の軌跡が薄く見えていますがStarlink 3群等によるものと考えられます(図2の作成時にはそれらの衛星の通過情報は加えていません)。左上コーナーからの右下コーナーに向けての光跡は飛行機ではなくてスターリンクとは別の人工衛星(あじさい?)と考えられます。

図2 ステラナビゲータ10によるシミュレーション

表1 Heavens Aboveによるスターリンク衛星の通過情報データ

参考に2分間隔で通過するスターリンク衛星の様子をアニメGIFにしました。ファイル容量縮小のためサイズを小さくしています。

図3 スターリンク衛星群の20分間の追跡 2分の映像を静止画にしてこれらを繋げてGIF化