久しぶりに光害カットフィルターのお話。以前にNo.087でも触れましたが改めて。
月、惑星と違って星景、星雲のようなわずかな光を求める写真は光害の無い地域で撮影できれば良いのですが、現実の環境下では人工光豊富な街の中での撮影となります。少しでもかすかな星の光を拾いたいとの願望からオリオン大星雲などの撮影には光害カットフィルターを使用します。使用しているフィルターは入手しやすい2種類です。
天体撮影用の光害防止フィルターは人工光の波長の部分をカットするものです。カメラ本体内イメージセンサー手前にセットするタイプとレンズ先端に取り付けるタイプがあります。どちらも2万円以下で購入できます。
今回はレンズの先端に取り付けるLPRフィルターの有無での撮影です。最初がフィルター使用写真、続いてフィルター無しの写真です。どちらもフィルターの有無以外は同じ条件で撮影しています。
2017/12/26 20:00~20:30 EOSKissX7i+70-200mm4Lレンズ(200mm) ISO-6400で6秒間の自動シャッターで繰り返し65枚ずつ撮影したRegiStax写真です。もちろん赤道儀追尾です。
撮ったままの写真では白っぽいのでレタッチしています。レタッチの仕方で画像は変わりますので正確な比較にはなりませんが、どちらも見栄えを良くしたつもりではあります。
2枚の写真を比較するとフィルター使用写真の方が使用していない写真よりも星雲が大きく写っていて倍率が異なるように見えてしまいます。しかし、周りの星々の位置の関係から倍率は同じで星雲の大きさだけが違うように見えています。これがフィルターの影響です。弱い光の部分が人工光に負けず広がって写ります。フィルター無しの写真をさらに明るくしても星雲の下部翼の部分は広がりませんし、トリの上部の星雲も浮かんできませんでした。逆に背景が汚れた画像になってしまいます。
光害カットフィルター使用
フィルター無し