Seestarのアプリがアップデートされ赤道儀モードで60秒間露出の設定、フラットファイル自動補正および撮影中の自動電源LED表示のオンオフ機能が追加されました。このうち、後者の二点をオンにして撮影を行いました。ファームウェアは4.70です。
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(新機能に関する補足)
その他気が付いた点として、60s露光は赤道儀モードのみで選択可。EQ赤道儀モード設定のためのプレートソルビングに関して今までは真上に望遠鏡が向けられていましたが、その他に高度を30°、60°、-60°、-30°(角度は目測)の設定が可能になりました。方位について説明がなく従来通り北極に向ける図示であり、それ以前にこの新しい使用方法の案内がまだ無いので開発中ということなのでしょうか良くわかりません。バルコニー等では天頂付近が遮られて空が見えない撮影者への対応と考えられますが任意の方位にできるか一度晴れた日にでも確認してみたい。北極星が見られない場所では誤差が大きいのですが手動で極軸合わせをするようなもので、Seestarでは星図、コンパス、GPSの利用で可能と考えられます。ますます進歩して欲しい。
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話を元に戻して、フラットファイルの取得は事前にスマホの白色画面を利用して実行。今までも一眼カメラでPCモニターやiPadの白色画面を利用して撮影していましたのでそれと同じ方法で特に問題なし、むしろ今までだとタークファイル(最初からダークフィルターへの切り替え撮影は自動でしたので)、ライトファイルおよびフラットファイルを取得、それらを読み込ませて画像処理していた場合に比較して、即補正画像が得られるのでとても便利。
今回の対象天体はM104:ソンブレロ銀河およびT CrB:かんむり座変光星/新星。この日の空はわずかに薄い雲に覆われ光害の影響も考えられるような状態でしたが、内部スタックと画像ノイズ処理すると画像1および画像2のようになりました。右側がSeestar S50による画像です。それぞれ左側に2枚、ステラナビゲータ12による9等星から14等星までを表示させたシミュレーション画像を並べました。今までの撮影画像に比べて背景が一様になっているように思いました。光度はUSNO-A2.0の拡張データを使用して再確認したものです。14等どころか、拡大、明るさ調整すると15等級以下のもっと暗い恒星も確認できます。
M104は撮影時間を延ばしたり、赤道儀モードで長時間露光とすればかなりクリアな画像も期待できると思いました。T CrBは特に変化がない。導入の参考指標となるIC4587は見えていません(以前写ったこともあります)。続けてフォロー。
画像1 M104ソンブレロ銀河 Seestar S50 2025/05/20 20:42
画像2 かんむり座 T CrB反復新星 Seestar S50 2025/05/20 20:13