日没後約30分のISS天頂通過、薄明が少し残り、青空に見えるのは木星のみ。そこに広い空を独り舞台のように見上げれば誰もが気が付いたことでしょう強い光を見せてくれました。快晴でしたがシーイングは良くなく、結果として拡大撮影の映像は連続コマ内で確認しても姿はゆがみ、安定した画像は見つけられませんでした。フォーカスは事前に木星で確認。
これで今年2023年の関東における最終天頂通過でまた来年を楽しみにします。やはり、他人力でも予想計算された時刻、位置にISSが登場し、さらに見るだけではなく撮影に成功すると満足感が味わえます。
1. 光跡
光跡映像および比較明処理画像をそれぞれ動画1および画像1に示します。映像および画像で上が北です、時計回りに90°間隔で西、南、東です。その広い空に見えていたのは左端に見えている木星、それに加えて静止画では中央右側にかすかにベガ(眼視では見えず)のみです。画像上端の点は確認しましたが飛行機です。
その中をISSは右上(北西)から登場しました。動画では約4分間の映像を20倍速にして12秒間の表示にし、その残像を示しています。4分間空を独り占めはあまり見かけません。
動画1 ISSの光跡 2023/12/07 17:00~ EOS-M6 7,5mmレンズ ISO-3200 f/2.8 1/30秒/フレームによる2K動画から編集20倍速再生表示
画像1 ISS光跡 上記動画の最終画像に相当 画像は別途比較明処理
2. 拡大撮影
快晴なのにシーイングのため解像度はひどくISSの姿に大きなゆがみ、ボケが見られました。いつもの映像のようになりませんでしたので、今回は良さそうな画像を選定し一枚にペーストして並べることにしました。それを画像2に示します。
左から右へ時間経過を示し、左側最初の画像は天頂に向かっているところ、以後は最高高度(ほぼ天頂)到達前後の姿になります。撮影時点、ISSは先頭に貨物ドラゴン、きぼう等、その他地球側に向いて目立つのはロシアの多目的研究室中継モジュールでしょうか、古川宇宙飛行士が搭乗してきたクルー7ドラゴンは地球と反対側ですので見えません。
画像2 ISS拡大撮影 2023/12/07 17:02~ COOLPIX P1000 ISO-400 f/8 3,000mm相当 1/500秒/フレーム