月面文字等とは別に、最近、ほんのり光房様に面白い記事が載りました。タイトルは「月面の魔女」。クレーター・マギヌスの中に浮かぶ魔女?、顔?。月面文字のLOVEのLとEの位置に隣接しているクレーターです。その元になった画像はリンク先紹介にあるようにSpaceweatherのギャラリーで見られます。確かに魔女のように見えますね。(Ref:”A witch face on Moon” Taken by Chotechai Piyavongsiri on April 28, 2023 @ KhaoNhoi Suwana FarmStay, Moo Si, Nakhon Ratchasima, Thailand)。https://spaceweathergallery2.com/indiv_upload.php?upload_id=195891

ほんのり光房様によれば、一つのRay現象と説明されています。クレーターの外縁の隙間や山脈の高低さから漏れた太陽光がクレーター内の暗い中に射し込み、その結果、影との組み合わせで絵画調、顔のように見えるというわけです。Ray現象に関して同ブログ内「月面のRay現象をご存知ですか?」(2022/04/11)の記事として詳しくまとめられています。

月面文字以外にこのような絵が見えるなんて面白いと、思わずとびついてしまいました。これを自分で今までに撮ってきた月の画像でも見たいと思い調べました。全て調べたわけではありませんが結果は以下のとおりです。

1. 月面人物画像(月面の魔女)

画像1に最近撮った例。マギヌス・クレーターで、画像の左側が月の南極方向、下が東方向になります。かなり拡大し、明度を強烈に上げていますので画像は粗くなっています。魔女というよりは、この場合は暗闇から人物の顔が見え始めた瞬間のように見えます。上記ほんのり光房様や紹介原画像と比較すると鼻、唇、あごが見えていますが、目と頬の一部分が影で隠れているように見えます。解像度や陽の射すタイミングのズレが原因でしょう。撮影時間が早すぎたということになります。

画像1 マギヌスの人面画像の例 2023/04/28 20:53 COOLPIX P1000 ISO-100 f/8 3,000mm×4.0倍相当 1/50秒の画像からトリミング等

他の過去の月の画像、特に月齢7.5~8.5に相当する画像を選び、回転、明度調整等、同様の処理を行い、顔らしく見えた画像を画像2にまとめました。2,000mmからそれ以上の焦点距離、COOLPIX P900の画像も含まれていますので撮影条件は記しません。拡大すると良く見えます。全てが顔のように見えるとは限りませんが、意識しているとそのように見えてくるのが不思議です。

画像2 月面の人面画像(魔女の画像?)マギヌス・クレーターRay現象の例

ほんのわずかの陽の射し方で顔が変わってしまうようで、月面文字よりも陽が当たるタイミングの影響が敏感のように感じます。また、同じ月齢でも陽の射す方向でも変わります。これに対し上記紹介原画像はかなりくっきりしていますね。

2. 他の人物画像

本編集中に一枚だけ気になる画像がありました、これを画像3に示します。マギヌス・クレーターでは夜が明けてRay現象は見えませんが、左上のクラヴィウスが気になりました、”月面ムンクの叫び”のような顔に見えませんか。この一枚だけが見えたので載せておきました。個人的に受ける印象が異なりますのでそのように見えないかも知れません。このクラヴィウスの例ではRay現象というよりはクレーターの縁の高低差による光の当たり方で見えているだけのように思われます。

月面文字以外にじゃんけんグー・チョキ・パー等、いろいろ見えるので楽しめるのですが、このような平面・絵画のように見えるなんて楽しさが増します。今後はもっと注意して眺めることにします。

画像3  月面に見える人面顔(月面ムンクの叫び?)2022/10/04 19:54 COOLPIX P1000 ISO-100 f/6.3 2,000mm相当 1/60秒 トリミング拡大


追記(2023/05/13)

保管していた月の画像をさらにチェックし三枚を確認しました。その三枚を画像A-1に示します。参考に月齢はそれぞれ左から7.9、7.9、8.0。この中で、特に左サイドの画像は最も顔に見える陽の射し方ですので、拡大して画像A-2に示します。

画像A-1 マギヌスクレーターに浮かぶ顔

画像A-2 マギヌスクレーターに浮かぶ顔(拡大)