4月下旬の26、27、28日は「特集、参考」記事”MagicMoon “のにあるようにその実現のための撮影チャンスなのです。組み合わせは2023/02/05に撮影したほぼ満月(撮影済み)と今回の半月(ほぼ上弦)です。三日間のうち27日、28日が上弦前後の月として観望、撮影ができました。満月と半月の画像の合成による立体的表現では秤動が同じであれば重ね合わせによる月面画像のズレが目立たないようにでき、美しい画像が得られ楽しめます。今回のMagicMoonの表示は編集途中で別途まとめます。

本記事では撮影した上弦の前後の月面画像のみを示します。04月27日月齢7.3および04/28日月齢8.3をそれぞれ画像1と画像2に示します。画像は縦軸の上が月の北になるように回転補正しています。4月の上弦の月は28日06:20ですからこの二枚の画像はその前後の月面に相当します。月の輝面比は上弦前後でそれぞれ46%、55%。

画像1 月齢7.3 2023/04/27 19:42 COOLPIX P1000 ISO-100 f/8 2,000mm相当 1/60秒

画像2 月齢8.3 2023/04/28 20:22 COOLPIX P1000 ISO-100 f/8 2,000mm相当 1/50秒

これらの月面では月面文字LOVE & Xがどのように見えるか、また、秤動による月周辺の様子が気になります。

月面文字は残念ながら少しタイミングがずれ画像1でも”O”以外は見えません、逆に一日経過した画像2では文字部分が明るくなってしまいました。しかし、画像2では文字の位置は確認できます。L、O、V、E(180°回転)、Xが良く見えています。画像1ではじゃんけんグーも見えています。

月の北、上部にはispace社のHAKUTO-Rプロジェクトで月着陸船ランダーが目指したクレーター・アトラスが確認できます。これに関連して着陸前に捉えた地球の画像が印象的でした。No.1164のひまわり画像と同じように、月から見た地球上(南北が時計方向に90°程回転)の月の影を写すなんて最高のタイミングでした。

この二枚の画像を見て、個人的には画像2の方が月面文字が見えていることからこの画像を利用したMagicMoonが作成できると良いのですが、どうなるか楽しみです。

次に月周辺の様子、北に位置するフンボルト海が全く見えていません。調べてみると地心でも測心でも経度秤動は1°以下と小さいのですが緯度秤動は-6.5°以上と大きく振れています。このため、フンボルト海が月の裏側方向に回転し見えなくなっているのでした。ここで素朴な想い、フンボルト海はいつ見えるようになるのだろうと。ステラナビゲータで画像や秤動図等で確認すると、ここしばらくは見えない(見づらい)ことがわかりました。5月は全滅、夏頃には少しだけ、9月になれば見えてくるようですがそれにしても長い期間見づらくなることがあるのだと知りました。

一方、南側は北方向の回転ですので月周辺に位置するスコットやアムンセンまでもが良く見えるようになっています。

参考に、これら二枚の画像で上弦前後の月面が変化する様子を画像3に示します。スライダーをマウスで左右に移動させるとその様子がわかります。

画像3 月齢7.3と月齢8.3の比較