MagicMoon(ほぼ同一秤動の満月と上弦の月を合成し立体的な月を表現)が2023/03/07満月と1年前の2022/04/08半月(上弦一日前)の画像で実現。今年最初の実現表示例となります。撮影はCOOLPIX P1000によります。

結果を以下に示します。なお、MagicMoonに関して本ブログ内の複数の記事を整理しリンク先等、特集、参考記事にまとめています。

さて、今回の例を画像1に示します。2枚の画像を見映えの良いように加重平均処理で半月の画像を65%に重み付けした結果です。重みづけは明るさの差の調整が主目的で自身の好みによるものです。北側にはアリストテレスとコーカサス山脈が目立ち、それに沿って南半球まで辿ると、少し明るい面にアルタイの崖も、さらにマウロリクス近くおよび南極近くのクレーターを立体的に表現できて面白い。残念ながら月面文字は月齢が早すぎて見えていません。満月が2023/03/07 19:46で経度、緯度秤動はそれぞれ測心で-2.5°、-4.9°、半月が2022/04/08 20:00で-2.4°、-4.6°でした。

画像1 MagicMoon合成画像 2023/03/07の満月と2022/04/08の半月の組合せ

参考に満月から半月の変化の様子を動画1としてまとめました、2枚の月面画像の東西南北を調整合致させ合成するとずれは見えないでしょう。地球照ではなく、中央部が立体的に見える不思議な月、MagicMoonの由来です。視直径と距離はステラナビゲータによれば満月時が30’で40.1万km、対する一年前の半月時も30’で40.4万kmと同じと言って良いでしょう。

動画1 MagicMoonの二つの月面の組合せを加重平均処理する方法で変化の様子を連続的に動画化

さて、ここで上記半月は1年前の撮影データなのですが、その翌日、上弦の月も2022/04/09 20:47に撮影してありました。上弦の月は前日の半月と比較して秤動がそれぞれ-3.7°、-5.5°で2022/04/08の時よりも1°程度ずれてしまうのですが、そのままその差を無視して上記と同様に合成しました。画像2に2023/03/07満月と2022/04/09の上弦の合成画像をスライダー表示で示します。上弦の月との組み合わせで実は中心軸を境にして左右の画像を比べると少しずれているのですが見た目、違和感のないよう上弦側の画像を80%の重みづけにして調整しています。このような方法で処理しても見映えはどうでしょう、良い方なのではないかと思います。月面文字LOVE & Xもタイミングは過ぎてしまいましたが陽の当たる側になりますので見えています。

このようにもし満月と上弦の月を1年分所有しているのであれば秤動値が近いと確認できれば似たような画像はできあがると考えられます。しかし、秤動差が大きいと月面の左右にずれが見られMagicMoonらしさが失われるかも知れません。どの程度の秤動差までが許されるかは確かめたことはありません、上記の秤動がずれた場合でも画像処理で個人的な好みに合わせられます。

画像2 満月は2023/03/07の画像のままで半月を上弦前日か上弦日を採用した場合のMagicMoonの画像比較