2026/08/28は部分月食がありましたが、国内では日中で満月は昇っていないので見られませんでした。地球上観測帯は大西洋を挟む北米、南米、アフリカ大陸、ヨーロッパで、部分月食とは言っても本影で隠される食分として最大0.93でしたので皆既月食並みに楽しんだ方も多いようでした。当日の画像はSNS等で多数見られました。検索すれば見られるでしょう。
さて、一年前にこの月食中の画像が気象衛星ひまわり9号の地球画像に写り込むものなのか2050年までに渡って調査したことがあります。その結果はNo.1515にまとめられていますが、月食の月が地球の裏側になるタイミング、地球外の天体の撮影領域の狭さ等で実現の機会はほとんど無いものの、今年以降、三回チャンスの可能性を指摘しました。そのうちの一回が昨日の部分月食です。
この結果に基づいてひまわり9号による昨日の画像を確認したところ、2026/08/28 11:10、11:20および11:30 (JST)に写っていることが確認されました。データはNICT 情報通信研究機構(カラー)、CIRA/RAMMB/JMA白黒)によります。なお、満月は13:19、月食情報はステラナビゲータより以下のとおりです。
半影開始 10:24
本影開始 11:34
食の最大 13:13
本影終了 14:52
半影終了 16:02
最初にNICT:情報通信研究機構のページから取得した画像を示します。画像1は月が写っていた三枚の画像を比較明処理したものです。原画像は暗いので明るく表示しています。残念ながら月の南側(下部)はひまわりの写野範囲外で写っていません。しかし、この画像でも10分間の時間経過により月の東側(左側)が地球の影の影響で暗くなり、欠けている様子が見られています。さらにこの月だけを拡大し画像2に示します。月をセンターリングして表示しています。画像は一般カメラのように短時間シャッターではなくスキャン方式で数分間は要すると考えられますがその影響による影の時間差の影響は小さいのでしょう。
ひまわり9号に写った画像は本影開始の直前の画像になるのですが本影の境界領域の広がりのためか暗く欠け始めている様子が見られています。ケプラーおよびコペルニクス等が10分経過ごとに暗くなる様子が見えています。
画像1 ひまわり9号による月食進行途中の画像 NICT:情報通信研究機構から
画像2 上記画像1の月の部分を拡大しGIF画像にしたもの
次にCIRA/RAMMB/JMAのデータを画像3に示します。ひまわり9号によるBand3(赤色)画像からのものです。上段は地球の南半球と共に写っていた月の10分間隔の画像、下段はその月のみをセンターリングして地球の影(本影開始は11:34でその直前の撮影画像、本影境界の暗さになっているようです)により月が欠ける様子を示したものです。原画像は暗いので明るさを強めて表示しています。ももちろん、3枚共に同じ条件による調整です。画像2のカラー画像と同様にケプラーおよびコペルニクス等が10分経過ごとに暗くなる様子が見えています。
画像3 ひまわり9号による部分月食進行途中の画像 CIRA/RAMMB/JMAから
以上のようにひまわり9号の画像で月食進行中を捉えたのは初めてではないかと思います。2050年までその気象衛星が現在のシステム、方式で撮影を続けたと仮定した場合、チャンスは2034年09月28日か2043年09月19日のみでしかも写る可能性はかなり小さいと予想されます。その意味では今回の月食進行中の画像は貴重なデータです。狙ったわけでは無いのでしょうからただ運が良かった、ラッキーでした。


