彗星C/2024 G3が写っているSOHO C3画像のFITS画像を利用し、その核部分のみトリミングし、それらを連続に表示する動画を作成しました。FITS画像は以前、彗星C/2023 A3 紫金山・ATLAS関連で示した「No.1375 SOHO、STEREOによる彗星C/2023 A3の元画像から」から取得しました。
動画作成の前にSOHO全体画像を比較明処理して画像1に示します。採用画像は2025/01/11 05:06 UT~2025/01/15 07:06:07 UTの中から3~5時間間隔で彗星の姿として写っている画像を選択したものです。間隔が若干不揃いなのは等間隔の該当画像が彗星全体が白く広がっていたり、画像が存在しなかったためです。
画像1 彗星C/2024 G3 SOHO LASCO C3画像から比較明処理で重ね合わせ
画像で右端の彗星が暗く写っている部分はコロナグラフのためのマスクバーの影になっているからです。
核から明るく伸びている尾は太陽とは反対側になりますが、太陽中心と結ぶ直線上に載るのはほんのわずかな部分だけでほとんどは太陽の中心方向に向かっているようには見えず、太陽と反対側の直線上にもないように思えてしまいます。後述するように彗星の軌道、軌道面の角度でそのような影響もあるのかと思いましたが知識不足で正確に理解できていません。
ひとり言:元々、二次元表示で太陽系の彗星の動きを理解しているものの現実とは異なるといつも思ってしまいます。最近の月や惑星への宇宙船、探索機等の軌道でフライバイやスイングバイを利用した二次元表示されますが、これらの図からどのくらいの距離を飛行するのと見ていて勘違いしたことを思い出しました。三次元で軌道を追いかけると二次元で見られているような軌道図から予想される距離とは何倍も異なる場合があることに気が付きました。知識が乏しいこともあるのですが一般向けに、こんな軌道をたどるのかと直感的に受け入れられる表示方法があればうれしい。
さて、本題の彗星の核部分に注目した動画を以下に示します。
動画作成対象とした画像の時間帯は上記全体画像よりも少し短く2025/01/11 10:18:11 UT~2025/01/15 01:06:11 UTです。画像は露光タイムの長い画像は採用せず、一部該当画像がない代替画像を除いてほとんどがFilter種類に関係なく一桁台の露光時間による画像です、採用画像は95枚。
結果を動画1に示します。最初の部分は高速再生表示、その後に尾の様子がつかめる様にゆっくりとした表示にしました。
動画1 彗星C/2024 G3の核部分の拡大表示動画 2025/01/11 19:18~2025/01/15 08:06 SOHO LASCO C3データから
前述したように彗星の軌道が気になり、参考のため、この時間帯の太陽系表示による彗星の位置変化をステラナビゲータで作成しました。画像2および画像3に示します。この画像でもわかりにくいのですが彗星軌道面はこの画像の上下を太陽の南北の軸として反時計回りにわずかに回転(太陽右側では遠く、左側では近く?)させた面になります。彗星は近日点前から既に黄道南側から北側の領域に入っています。
ステラナビゲータを使用していろいろな角度から眺めもしましたが未だに感覚がつかめていません。画像2および3から、きっと?太陽の右側からやや奥の位置から近日点に向かって(01/13)近づき、その後は左側に太陽よりわずか手前に。例えれば大谷翔平選手のセンターホームランをキャッチャーからすると上下の直線だが、三塁側から外野レフトの間の観客スタンドから見た放物線軌道のようなものか?、って連想しましたが、例が良くないかもです、すみません)…..。
画像2 彗星C/2024 G3の近日点前後の軌道 ステラナビゲータ12による作図
画像3 彗星C/2024 G3の近日点前後の軌道 地球と太陽は重なった位置で 赤の線は黄道と地球の軌道とがほぼ重なっています ステラナビゲータ12による作図