かんむり座の変光星T CrBのSeestarによる爆発監視キャンペーンでは、天体導入にSkyAtlasの銀河IC4587が利用され、そのおかげで短時間に光度測定用の画像が得られています。IC4587の利用はSeestarの写野範囲内で近くに観測目的とするT CrB = HIP78322が並んで写るためです。

今までT CrBのデータばかりに注目していたため、このIC4587は画像で確認したことはありません。そこで注目されている天体ではないのですがせっかく利用されていることもあり理解をしておこうと撮影データを見直すことにしました。この天体はステラナビゲータやネット検索によれば以下のとおりです、合わせて変光星のデータも並べておきます。

IC4587 銀河 明るさ15.0等 距離6.29億光年

T CrB 反復新星 明るさ10.08等 距離約3000光年

IC4587が6億光年と知るとそんな天体は写るのだろうかと思ってしまいました。今までの内部スタック画像(10秒×6枚または12枚)では強烈にあぶりだすと明るいもやっとした像に気が付くものの明確にはなりません。そこで、今まで撮影したFITS画像全部166枚をSirilでスタックして確認することにしました。

画像1に結果を示します。左の画像は撮影の日時が異なる画像が混在しているため写野が回転し狭く表示されてしまいましたがスタックしたままの画像です。この画像でも拡大するとIC4587の光点が解るのですが、もっと拡大、明度等を調整すると右の画像のように明確に現れるようになりました。まさかIC4587がこのように浮かび上がるとは思いもしませんでした。あらためて6億光年の光を認識。

画像1 銀河IC4587 Seestar FITS画像166枚 Sirilスタック