金星内合は2022/01/09 0:14でした。その前後、2022/01/08の夕方および2022/01/09のお昼に撮影を試みました。内合7時間前、内合11時間後です。内合が真夜中ですので内合前後に近い撮影となりました。

最初に触れておきますが、特にお昼の撮影は金星を捉えにくく、No.996に示したように太陽8個分程度(離角は5°以下)離れているものの太陽光が眼に入るととても危険です。直視は厳禁、操作も細心の注意が必要です。NDフィルター利用や撮影場所の上面、側面遮光を考慮し金星を探しました。結果として太陽の出ている方向に空を見上げることはありませんでした、全て液晶モニター画面のみで確認。

夕方の撮影は外でしたので、ビルの屋上や側面に太陽が隠れる場所に設定。昼間の撮影は部屋の中から窓を開け、壁際を利用して遮光したり、NDフィルターを利用し写野から太陽を外しおおよその金星位置向けた後にフィルターを取外して金星を探しました。液晶モニターを見ながら微動雲台の調整だけですから眼の危険性はありませんが、カメラへの影響はわかりませんが特に異常はありません。

以下に撮影結果を示します。最初に内合11時間後1月9日の画像を示し、次に内合7時間前1月8日の画像を示します。

1.内合11時間後の金星(昼間)2022/01/09

(4K動画からスタック画像)

2022/01/09 11:27の40秒間4K動画をPIPPで1200枚を取出し330枚をAutoStakkert!3で処理。画像1にその反転像と共に示します。太陽離角は4.86°です。この時刻では太陽のほぼ直上に金星。1時間もすると見かけ上、太陽は左下に見えるように変化しました。光る輪の様子をステラナビゲータもステラリウムで確認しようとしましたが画面上では薄すぎて見えません(明るく表現できるのかな?)、幾何学的表現ではそれだけ細いということなのでしょう。

「ほんのり光房」様では偶然にもほぼ同じ時刻に撮影した望遠鏡による画像が掲載されていました。正確に向きを調整されていますので輪の光る領域はやや左下になっています。ここでの画像は撮ったままの画像です。そのクリアな望遠鏡写真ではカスプが180°以上になっていることが報告されていますが、COOLPIX P1000の画像では180°程度でしょうか望遠鏡並みには写っていません。

画像1 金星 2022/01/09 11:27 COOLPIX P1000 4K動画(40秒間映像)3,000×3.6倍mmからPIPP、AutoStakkert!3で処理。右はその反転画像

(静止画像から)

カラーのままの画像も載せておきます。画像2は静止画20枚をAutoStakkert!3で処理した画像とその20枚の中からの一枚写真の代表例です。それと画像3は11:56時点での空の状態です。薄い雲の中に金星が写っているのがわかります。焦点距離3,000mm相当の参考画像です、この薄い雲が少なくなった時に最大倍率にして撮影しました。

画像2 金星 2022/01/09 12:07~12:09 COOLPIX P1000 ISO-100 f/8 2156mm(3,000×4.0倍mm) 1/2500秒

画像3 薄い雲の中の金星 2022/01/09 11:56 COOLPIX P1000 ISO-100 f/8 539mm(3,000mm) 1/2000秒

2.内合7時間前の金星(夕方)2022/01/08

どうしても内合を迎える直前の宵の金星をP1000で捉えたかった、それだけのことです。数十分も探し続けているのに見つけられない、太陽が建物に隠れてからはモニターとにらめっこ。微動雲台のつまみを何度回したことか。その繰り返し作業が実を結び、高度2.9°の金星を建物屋上のやや上に見つけました。結果として屋上に隠れてしまうまで1分程度しか、フォーカス等調整の余裕は無し。あーっ、建物に隠れてしまうと思いながらも静止画4枚と動画1ファイルを得ました。

(4K動画から)

動画はこれ1ファイルのみ。映れば良いと即写。動画1に示します。9秒の映像でボケボケですが夕焼けの中の金星です。左のバーは屋上の避雷針、アンテナでしょうか、あとで静止画でどこに向けて撮っていたか記録しておきました。気流の影響でしょうか、金星画像はユラユラしています。細く映りませんけれど金星です。P1000の最大倍率3,000×3.6倍=10,800mmです。4K全体映像をそのまま明るさを調整し、リサイズしています。

動画1 金星 2022/01/08 16:43 COOLPIX P1000 4K動画 10,800mm

上記9秒間の映像から270枚をAutoStakkert!3で処理した画像を画像4に示します。ボケ、太い線状は仕方がありません、あまりに高度が低い。

画像4 金星 2022/01/08 16:43 JST COOLPIX P1000 4K動画 AitoStakkert!3で処理後、明るさ等調整、DeNoiseAIで処理

(静止画)

画像5に金星を認めた時の最初の一枚を示します。ISO-100 3,000×2.0倍=6,000mm相当 1/500秒で撮りましたので暗い画像、これを明るく編集しました。

画像5 金星 2022/01/08 16:42

ズームアウトした画像を画像6に示します。これでも433mm換算相当の望遠側の焦点距離です。かなり遠方な建物なのですが、その近くに金星が写っています。目視では金星は見えませんでした。四角枠が動画1および画像5のおおよその撮影範囲、○枠がこの時点(16:45:53)の金星です。2,3分でここまで高度が下がりました。

画像6 金星撮影写野