最初に3枚の月の画像を以下に示します。 2022/09/13のひまわり8号、COOLPIX P1000およびステラリウム(描画)の画像です。ひまわり8号の画像はどれでしょう。同じ日の、同じ倍率、同じ月面の向き(回転)に並べています。

画像1 三種の月の画像

答えの前に画像について。ステラリウムとひまわり8号の画像は同日同時刻ですが日本では月が地球の反対方向の時刻になっていますので見えません、COOLPIX P1000の画像はその8時間後に横浜から撮影した実写像です。なお、ひまわり8号の画像はNICT:情報通信研究機構によります。

答えは左から順番にステラリウム、ひまわり8号、P1000の画像でした。ひまわり8号で写っている月を見ると”虹の入江”、”プラトン”の他、特に右側の”危機の海”の上側に”クレオメデス”、”エンディミオン”がクレータ状の凹凸として双眼鏡、小型望遠鏡並みに見えています。COOLPIX P1000の画像はひまわりの画像の8時間後ですからそれなりに下弦に向かいつつ右側は夜を迎える様子がうかがえます。

左からステラリウム(月齢16.9 2022/09/13 14:10 JST)、ひまわり8号(月齢16.9 2022/09/13 14:10 JST)、P1000(月齢17.2 2022/09/13 22:11 JST)の画像になります。

今月のひまわり8号が観た月は以下のリストのとおりです。いずれもNICTのページから見られ、それぞれの画像にリンクさせていますので確認できます。但し、月はとても暗い画像ですので拡大するか明るさを調整しないと見えないかもしれません。中秋の名月/満月は2022/09/10ですが見かけ上、地球の下(南)を月が通過したためスキャンの範囲外になってしまい写っていません、残念。しかしその翌日から三日間連続して見られました。なお、月末にも月は地球の裏を通過するのですが”新月”期で見られません。

これら4枚のひまわり画像を比較明処理して地球の背後に写った月をまとめて一枚に画像2に示します。比較明処理ですので雲の様子も4枚分重なっていますので現実の雲の様子ではありません。上記のように原画の月は暗いので月を見やすくするために明度を調整しています。月の画像はスキャン領域対象外や地球と重なってしまう例が多いのですが2022/09/13 14:10の月は運よく全体が写っていました。その月を拡大した画像が画像1なのです。

2022/09/11 11:30 JST 月齢14.8 時計の針で40分方向 月の左側がスキャン対象外で画像が途切れています
2022/09/12 12:20 JST 月齢15.8 時計の針で47分方向 月の下半分が左右ずれています、本ブログ内ではスキャンずれと呼んでいます
2022/09/13 13:30 JST 月齢16.8 時計の針で55分方向 月の半分が地球の裏に隠れています
2022/09/13 14:10 JST 月齢16.9 時計の針で05分方向 月全体が写っています

画像2 2022年9月にひまわり8号が捉えた月(2022/09/12 13:40にも画像右端に赤い線状に写っていますが見えた事にはしません)

以下は実際に撮影した月齢17.2の画像です。薄い雲が流れていて途切れた瞬間を狙いいつもよりスローシャッターで撮りました。撮影記録として画像3に示します。原画を1/2サイズにしたままで画像調整はしていません。月の影の領域で右上にオニール橋と横方向に月面Kに陽が暮れようとしています。もう少し時間が経てば陽がさらに斜めに射し見やすくなるという感じでしょうか。その部分をトリミングして画像4に示します。左がオニール橋、右が月面Kです。

画像3 月齢17.2 2022/09/13 22:11 COOLPIX P1000 ISO-100 f/8 359mm → 2,000mm相当 1/40s

画像4 オニール橋(左)と月面K(右) 原画像からトリミング