最初にAstroArtsのギャラリーに投稿した画像を示します。金星内合が来年1月9日です。年末まで現在の視直径よりも2倍近くと大きくなり、一方さらに細くなった金星が見られます。内合に近づくにつれて年末まで水平月ならぬ水平金星、水平明星が撮れる(水平は無理としても細い横になった金星。あまりに細くなって写せるのかどうかはわかりません)と面白い。以下、当日の撮影記録を示します。
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金星探しを再度。南の空に一日で最も高くなる高度30°近くの金星は眼視では空の青さにまぎれて探せません。ステラナビゲータで位置を確認し、双眼鏡で辺りをゆっくり見ていると光る点が目に入ります。金星だとすぐわかります。青い空に光る点は明けの明星、宵の明星とは印象が異なり周りの強い明るさの中で負けずピカリと見せているところが良い。
地上目標物との関係を頭に入れてCOOLPIX P1000を向け、低倍率から徐々に捕捉しながら最大倍率3,000×3.6=10,800mm35ミリ換算(以下焦点距離は換算値)まで持ち込みます。今回は、途中の焦点距離600mmの静止画および最大倍率の4K動画で捉えました。
この撮影結果の画像を以下に示します。上記のAstroArtsに投稿した画像はこれらの写真から編集したものです。中倍率と超高倍率の画像を一緒に、こんな光る点が望遠鏡で見るとこんな形で見えると言った一枚にまとめました。
(1) 600m画像
青空に小さな光る点だけでは面白くないので、目標物とした隣家の屋根の一部と共に収めました。一見、普通の青空の中に光る点と思われますが、600mmですからこれでもかなりの倍率です。金星にフォーカスを合わせていますので建物はかなりボケてしまいます。600mmの写野が連想できれば、こんなに小さいのかと思われるかも知れません。光る点を引き伸ばすと三日月状に見えるようになります。
(2) 10,800mmの画像
上記写真と比べるとかなりの超望遠画像になります。この日の大気の状態は安定していてモニターを見ていても画像全体の揺れは別にして像の歪みは小さく金星らしくキレイに見えていました。4K動画で1分15秒間、録画一時停止と手動追尾を繰り返しながら撮影しました。4K動画をPIPP処理し、ハイビジョンサイズにクロッピング、センター化して、AutoStakkert!3でSurfaceオプションでスタックしました。利用率は20%。
参考に原フレームからPlanetオプションに変えた画像も以下に示しておきます。宵の明星らしくなりました。処理したまま載せています。カラーもそのまま発色したものです。宵の明星を撮影したわけではありません、処理上の画像です。