いつも目を通していますほんのり光房様(久保庭様)から、2021/08/27は朝の太陽と夜の月が空の同じ位置に輝くと、参考記事(同じ日に同じところで輝く太陽と月)と共に教えていただきました。それは面白そうと、興味を持ち写真撮影で確かめることにしました。(No.921がその日に撮った月齢19.0の写真なのですが、本記事とは別にしました)
太陽と月が空の同じ位置にあったことを示す方法として、固定した基準、例えば建物等の景色と一緒に撮り、太陽と月の二枚の写真を比較すれば空の同じ位置にあったと理解できます。しかし、写真ではそのような広角、標準焦点距離では逆に太陽と月が小さく面白味に欠けてしまいます。
そこで今回は景色と一緒に撮る方法はやめて太陽と月がやや大きめに写る300mm焦点距離を選びました。その代わりに撮影機器(カメラ)が向いている方位と高度を同じにして撮らなければなりません。方位と高度計のアナログの精度では撮影倍率によりますが朝と夜と独立に設定しても正確に一致させるのは無理でしょう、そのため今回は月を撮ったままにして機器には触れず、翌日にそのまま太陽を撮る方法としました(実際にこのように進めたのですが、方法としては正解でしたが、後述するように同位置に写った重なる写真は得られず今回のチャンスでは成功しませんでした、正解は今回の条件では太陽を撮った後にその日の夜にそのままの状態で月を撮れば良かっただけの事です)。
今回撮影した結果を図1に示します。三枚の写真をアニメに。一枚目は2021/08/27夜半頃の月齢19.0を撮った写真、撮影後そのままの状態にして、2021/08/28翌朝の太陽を撮りました、これが二枚目。太陽の写真は雲の中でしたがND5フィルターを付けても見えましたのでそのまま撮りました。三枚目はこれらの二枚を重ねた画像です。
結果は(いまだから言える、単なるミス、思い違いでした)、再度述べますが月と太陽が重なる写真にはなりませんでした。
図2はステラナビゲータで作図した2021/08/27の同日中の太陽と月の軌跡。白丸が太陽、そのすぐ隣は月です。矢印の位置で撮れば重なった写真が得られたと思います。ところが私が撮影した写真は図3の2021/08/27の月と2021/08/28の太陽の軌跡「この位置で撮影」の時点でした。久保庭様が同日とおっしゃっているのに前日の月と当日の太陽を撮ってしまいました。図3で地平線辺りを拡大し重なるのを確認したのみで、時系列の変化を確認せず、また、少し高度の高い位置でも大きくはズレないだろうと思い込んでしまいました。図2および図3を見れば一目瞭然なのに木を見て森を見ずでした。
図3 太陽と月の軌跡 日時が異なります。矢印はこの位置で撮影してしまったものです。ステラナビゲータ11による作図
参考に2021/08/26、2021/08/27および2021/08/28の三日間の軌跡を図4に示します。
予想される通りですが太陽はわずかな変化ですが月は大きくずれていきます。
後日、久保庭様から今年の太陽と月が重なる日時のデータを私の居住地横浜で計算し、送付していただきました。図5(表)に示します。県にまたがるような場所が異なりますと拡大観察すると結果が異なりますので注意要です。StellariumやStellaNavigatorの応用でも確認できます。
10月にチャンスがまた来ます、高度が高く、方位も南西で条件は良いのですが部屋またはベランダに機材をこの方向に向けて置き放しにできれば良いのですが難しい。昨日撮った太陽黒点群の部屋から撮れれば良いのですが確かめていません。置いたままではなくて簡易的に精度良くレンズをその方向に向ける他の手段は無いものか未だにアイデアが浮かんできません。
今回の撮影チャンスが私にとっては最高の確認できる条件だったのを知ると再度、木を見て森を見ず(またその逆もありそうな)、残念でした。
本挑戦のきっかけと計算結果について教えていただき、楽しめました、久保庭様には感謝致します。