金環日食が北極圏等で見られました。日本では見られませんでしたが、その代わりにいつもの「ひまわり8号」の画像で(情報通信研究機構:NICTによる)、地球上に映る月の影を確認しました。
特集、参考記事「ひまわり8号による地球と共に写った天体」に日食時の月の影の例をまとめています。この中で特に面白かったのは2016/03/19の「No.549 ひまわり8号 地球に月の影と同時に隣に木星(日食時)」の例でしょう。日食時に月の影以外に木星も写っているなんてラッキーでした。
今回の日食時ではそのような重なる天体の画像は得られませんが、月の影は見えていますのでデータベースとして加えます。以下にその画像を示します。
これらの画像を20分間隔で並べた画像は以下のとおりです。
画像の地球上の北に影が移動する様子が写っています。明度等で調整して影が見えるようにしました。
面白いことに北極点で金環日食が見られたことです。現在は春分の日を過ぎて約3か月、北極では太陽が一日中見えています。ステラナビゲータで北極点近く(北緯89°, 西経140°の例)から見た日食の経時変化を示します。太陽の高度は約22°です。
実際に撮影された日食の写真はhttps://spaceweathergallery.com/に多く投稿されています。ほとんどは部分食の写真ですがその中でもカナダ・オンタリオで観測された金環食の写真がありました。太陽高度が低く1万m以上の上空から撮られた写真とのことです。
また、月の影に関してひまわり8号とは反対側に位置する米国NOAA東西GOES気象衛星のデータ(過去にNo.581に参考例)を確認しました。この中でGOES(-16号 EAST)衛星による画像データの北の部分を拡大し月影の移動の様子を示した画像がありました。月の影はカナダ(グリーンランドに近い)の60°~70°の緯度に相当すると思われます。
次回は2021/12/04(国立天文台より)の皆既日食、しかし、今回とは逆の南極、南極付近から見えますが、日本では見えないようです。月の影はどう見えるのでしょうか、あれっ、一年で南北極両方の日食ってめずらしいことなのかしら…。