今月2021/05/26の皆既月食は2010年~2030年の20年間の中でも、大きく見えて、真正面を向いた月と呼べそう。No.882の続きです。
20年間の皆既月食のステラナビゲータ11によるシミュレーション画像を年代順の変化として画像1に示します。観察場所は関東地方(横浜)としています。
画像1 2020年~2030年の皆既月食画像 月面の見かけの中心(緑)と真の中心(黄または赤)を表示 ステラナビゲータ11による 横浜からの観察の場合
各月面には真の中心(黄色または赤)と見かけの中心(緑色)を示しています。20年間に上記観察場所とした場合10回の皆既月食のチャンスがあり、その中でも今月の皆既月食が月面の見かけの中心と真の中心が最も近づきます。しかもスーパームーン。
これら皆既月食の10枚の画像は国立天文台の情報によりますが表1に整理しておきました。表中の経度、緯度は地心秤動です。
皆既月食ですので全て上下(緯度秤動;中央緯度の欄)は1°以下のずれですが左右(経度秤動;中央経度の欄)は今月の月食時(赤いクロス印で表示した画像)の0.8°以外は2.4°~4.9°と大きく振れています。どんピタリとは行きませんがスーパーセンターブラッドムーンと言っても良いように思います。
表1の備考欄の「観察できず」のうち、2018/07/28の月食は経度秤動も-0.5°と小さいので気になり関東以外で最大食の時刻に日本で見られるか調べました。沖縄県那覇市から高度がかなり低いのですがギリギリに月の入り直前に見られていました。この画像を今月の月食画像と並べて示します。画像2では測心秤動表示になりますので今月の皆既月食時とほぼ同等に真の中心と見かけの中心が近づいているように見え表1の数値ほど差が無いように見えます。この3年前の月食時には距離は40万km以上と離れ見かけの月面画像は小さい。
画像2 月面比較 ステラナビゲータ11による