いよいよ、2021/05/26の皆既月食が近づきました。
皆既月食の撮影は3年ぶり。前回は2018/01/31で撮影結果は特集、参考記事に載せています。この時の月食はスーパー・ブルー・ブラッドムーンと話題になりました。意味は大きく見える月、ひと月に2回目の満月時を迎えることに過ぎませんが、意識すると単なる月食でなくて「そうなんだ、滅多にないチャンス」と喜びもしました。
今回はどうか、スーパー・ブラッドムーンですが、もう一つ意識するとセンタームーンの言葉が付けられます。「大きな真正面の月食」。
真正面を向いた月、センタームーンについて「ほんのり光房」様の記事で詳しく紹介されています。本ブログ内でも引用させていただき理解を深めました。センタームーンとは月面の真の中心が見かけの中心と一致することを表しています。月は秤動によりあちこち向きを変えています、この向きとは人の顔で言えば、目、鼻、口が真っ直ぐにカメラのレンズに向いているかどうかに相当します。記念写真ではかなりしつこく姿勢や顔等の向きを気にし、ほんのわずかな向きの違いでもボツにする写真は多いものです。真っ直ぐな正面写真が良いのでしょう。もちろんそのような細かい向きを意識しないのであれば気にするようなことではありません。過去の皆既月食並みに地球の影に入る天体現象に過ぎません。
厳密には月の向きは真正面から少しずれますが、それでもかなりセンタームーンに近い、しかも月食なので意識を高めて楽しみたいと思います。そのスーパーセンターブラッドムーンの画像と今回の月食時から得られる地球の影(撮ってみたい)をステラナビゲータ11でシミュレーションしてみました。
2021/05/26。月の出と共に月食は始まっており、すぐに低高度ですが地球の本影に入ります。横浜(関東であれば差が無いでしょう)から見たシミュレーションです。黄色と緑色の中心点がわずかにずれていますがセンタームーンに近いことを示しています。No.884に示したように2010年~2030年で見られる皆既月食の中では月の秤動(月面の向きのブレ)は1度以下のずれで20年間では最も真正面を向いた月食と言えます。
当日の撮影では地球の本影が月面スクリーンとして表せると面白い、その他、ターコイズ・フリンジの色、本影境界を横切る際の明かり等楽しみです。以下は15分間隔で撮影した場合の写真をつなぎ合わせて地球の本影境界を表現したものです。今回の皆既月食では地球の本影の境界ギリギリに月が通り過ぎます、その時間、15分間です。