No.872の続き(再編集)になります。

今回の撮影ではカメラが風の影響を受けて揺れてしまい、そのため太陽面通過時にISSの軌跡は波をうつようになってしまいました。

動画処理として映像の揺れを補正するため最初にPIPPによるアンカーオプション(太陽の周辺円弧を利用)を利用して処理しました。映像はかなり改善されましたがそれでも少し揺れが残ってしまいました。このため、さらに揺れを取り除くため、比較暗画像からISS(点)を直線近似(ベストフィット)して、その直線上に各フレームのISSがなるようにスライドさせました。直線近似はビジュアルフィット、各フレームのスライドは画像ソフトで実施しました。

太陽面通過中のフレームは24枚でしたので手動処理です。ベースに近似直線画像を置きその上に各フレームを載せて直線上に合致するようにスライドさせました。

このように補正されたフレームを使用して編集した比較暗画像と動画を以下に示します。

(比較暗処理画像)

24枚の画像をSiriusComp64で比較暗処理しました。処理後、コントラスト、明度、ハイライト、シャープネスで調整しています。左からISSが太陽面に突入し右に進んで抜けていきます。地上で立った状態ではISSが太陽の下から突入し上に抜けていく様子です。この間、24コマですから約0.8秒で通過したことになります。

残念なことは中心線を通過する場所に出かけての撮影でしたが、ズレてしまいました。No.872にも記述しましたが、その場所(04/05時点でも再確認)では太陽の中心線を通過すると予想されています。今までにこのガイドでズレた経験はありません。この予想はISS TRANSIT FINDERステラナビゲータ11も同じですが、Heavens Aboveの方は太陽の左側を通過するように見えていて本撮影結果と似ています。軌道データの採用時刻のわずかな差で生じた可能性も考えられますが明らかではありません。

画像では5枚ほどのISSを拡大表示もしてみました。ソーラーパネルが太陽面に向いていますのでISSのシルエットがクッキリと写っています。月面通過のNo.833No.834の事例と合わせると観測・撮影条件が良ければP1000はかなりの威力を発揮します。

きぼう実験棟はISSが近づいてくる段階ですので角度の関係から陰になりシルエットとしては重なり合って判別しにくくなっていますが、何となく先頭部分に中心線より下が長く見えているのはもしかしたらきぼうの影かもしれません(そこまで見る? → のが好き)。

(動画)

上記コマを動画に戻しました。PIPP処理の利用によります。以下にその動画を示します。

3種類のクリップを一つのファイルに映像化しました。最初が太陽全体を映している標準速度(実際の速さ)30fpsに続き1/3倍速10fpsの動画、さらにその次にISSの写っている領域を拡大して1/3倍速10fpsで表示しています。