土星の例で、PIPPの標準的な使用方法によります(他の天体の場合の処理例は特集、参考記事の「天体を画面中心に固定映像化(動画)する方法」にまとめています)。なお、今回、処理時間をPIPP前処理を利用した場合と直接AutoStakkert!3で処理した場合とで比較してみました。

AutoStakkert!3に4K動画ファイルをドロップしてAVI変換→Place AP Grid→Analyse→50%Stackの選択クリックで進めた結果約18分要しました。一方、PIPPの前処理(Planetary→Output FormatをTIFF選択→Do ProcessingでTIFFフレームを取得)とそれに続くAutoStakkert!3の手順では合計約3分でした。PIPPの利用で処理時間が1/6と大幅な短縮となりました。

手順については簡単ですが上記のとおり、ここでは、原動画、上記標準的な方法を通して得られた土星のセンタリング動画(上記TIFFからAVIの選択に変更したのみ)およびスタック画像のみ示します。

(原動画)

COOLPIX P1000による土星の4K動画(ファイル容量の関係からトリムして縮小リサイズして表示しています)。2019/08/12 20:28の29秒間の録画ファイルです。固定撮影ですので地球自転により右に移動しています。

(センタリング動画)

原動画をPIPPでPlanetary→Output FormatをAVI選択→Do Processingのみの処理で土星をセンター化した映像が得られます(下記表示例はトリムして縮小リサイズしています)。

(スタック画像)

4K原動画からそのままPIPP→AutoStakkert!3で処理。フレームは870枚で10%利用率としました。得られた画像をサイズ変更、ホワイトバランス、明るさ、コントラスト等を調整しています。