1. はじめに
「朝日新聞・東京大木曽観測所」カメラに寄るライブからふたご座流星群の流星がどの程度見えるものなのか映っている範囲ですが数えてみました。
野外で流星を観測しようとしても数分間も見えないとあきらめてしまう方もおられるでしょう。一方、温かい部屋で大型液晶TVで見ることができるのであれば長く見てもガマンできます。
これを実現したのが上記ライブです。おもしろい企画だと思います。明るい部屋で流星が見えるのです、つい照明を消したくなりますが不要です。
ライブ配信映像から数日間、数時間の流星観測でもすれば少しは意味があるのかもしれませんが、体力的に無理です。また、映像から流星自動感知処理システムがあるわけでもありません。
ここではたったの1時間ですが、上記ライブ映像から流星出現を数えることに挑戦しました。このような挑戦は今年のみずがめ座流星群2019の時以来です。
2. 数える方法
(1) カメラ情報
朝日新聞社によればカメラ設置、仕様は以下のとおりです。
https://www.youtube.com/watch?v=pFd9nU9gxNY。
・場所 東京大大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター木曽観測所
・映像 北東の空。
・画角は左右70度、上下50度。16mmF1.4、ISO100-204800。
(2) 方法
手順は以下のとおりです。
・ライブ配信で流星が見えた数秒間を動画キャプチャします。
・これを1時間注視してキャプチャファイルを蓄積します。
・キャプチャした動画は静止画で100枚程度なのでこれを全部取り出します。
・これを比較明処理して一枚の流星写真を得ます。
・各キャプチャファイルの比較明写真をさらに全体を比較明処理して1時間分の流星写真が得られます。流星キャプチャ数が多ければ動画にすると面白いと思います。
キャプチャをoCam、静止画取り出しを手持ちのカメラ添付ソフトを利用、比較明処理はSiriusCompで行いました。カメラ添付ソフトも含めるとすれば全てフリーソフトです。
(3) 結果・流星写真
ここで得られた動画、画像は朝日新聞社からクレジット「朝日新聞・東京大木曽観測所カメラ」の付記を条件に載せました。もちろん、単純なライブ動画の全体のコピーは許されないと思いますのでご注意を。
まず、図1に1時間分の流星写真を示します。キャプチャ数は37、流星数は41個でした。
北斗七星などの恒星、飛行機および月の明かりに照らしだされ雲もじゃまして見にくいのですが、飛行機の…軌跡や円弧上に二点鎖線などに見えるのは恒星です、意識すれば流星だとわかるはずです。
1キャプチャに2個の流星も見えましたので、合計キャプチャ数と合計流星数は一致しません。10%程度が数秒以内に複数個みられたことから塵の密度と関係している可能性が考えられ、カメラの画角を魚眼レンズのようにもっと広角にすればもっと複数個の割合が増えるのかも知れません。
写真のみですとわかりにくいので1時間の37枚のキャプチャ静止画像を流星が現れた順番にアニメにしたものを図2に示します。
雲が邪魔ですのでキャプチャ14番目から37番目までの見やすい画像も図3にアニメ化してみました。しかし、こちらの方が恒星が同じような長さになって判別がつきにくいようにも思いましたがどうでしょう。
3. その他・参考情報
1時間では物足りないので上記のライブ映像でカウントを進めたいと思いましたが、残念ながら、既に映像は更新されてしまっていて配信は無く確認はできないことがわかりました。
なお、このライブに関連して検索して調べたところ、朝日新聞社の流星群に関する記事等が載っていましたので、以下に掲載しておきます。大きな流星の例ですが、火球級のものもあって、とても観測の楽しさを感じさせる映像になっています。
https://twitter.com/itaimecom
https://twitter.com/itaimecom/status/1206220532510707714
https://twitter.com/asahicom/status/1206131781704962048 (惜しかった、もう30分間観測続けていればデータとして加えられたかもです)。
後日、今年の「みずがめ座流星群ライブ2019」および「ペルセウス座流星群ライブ2019」についても数えていましたので、今後のため整理しておきたいと思います。