撮影した写真をRegiStax処理したと書きますが、どんなソフトウェアかはリンクページをどうぞ。利用の有無の差は写真を比較して見れば一目瞭然です。その例を載せておきます。
最初に素人也に経験した星雲等の撮り方について触れます。星の光が弱いのですからシャッター速度は通常の1/500秒とか1/1000秒では写りません。光を集めたいことからシャッターを数秒、数十秒間開ける必要があります。しかし、カメラを三脚に載せて例えば30秒間シャッターを開け放しにすると星は地球の自転で線になってしまいます。
以下の写真はオリオン大星雲を撮しているのですが姿は帯状になってしまっています。200mmレンズ撮っているのですが30秒間でこれだけズレてしまいます。
そこで星を追いかけて撮影すれば星は点状、星雲はもっともらしい姿で撮れます。その追尾する装置が赤道儀です。装置の回転軸を北極・(北極星)に合わせ地球自転速度に合わせてカメラを回転させます。手動で追跡する赤道儀がありますが、モーターで自動的に駆動するタイプがほとんどです。
(月、惑星の明るい天体は相対的にシャッター速度が速いので赤道儀が無くても撮れますが、倍率を大きくすると数十秒で視野から外れてしまいますので、被写体を視野内に留めておくのに便利です)
ところが赤道儀の軸合わせなど設定が甘くなったりすると正確な追跡ができなくなり線状に写ってしまいます。また、人工光の激しい都会では30秒間も光にさらすとその光に感光し全体が真っ白な写真になってしまいます。
(デジタルの世界のありがたさか、真っ白く写っても画像処理ソフトで明るさ、コントラスト等を調整すると見える写真にはなります。しかし、光害の無い写真とは比べものにはなりません)
そこで短時間の露光時間にして追跡の誤差・ズレを抑え、星を点状で写るようにし、かつ光が当たり過ぎて真っ白な写真にならないように条件を決めます。しかし、短時間のため通常のISO感度ですと星の光はほとんど感光しません。このためISO感度を高めます。
高感度にすると写真は目の粗い画像になってしまいます。そこで、RegiStaxの利用です。
RegiStaxで処理すると例えば百枚の粗めの写真を全て平均化処理をしますと画像は滑らかに、像の境界などがくっきりと仕上がります。
No.349の写真は一眼レフデジタルカメラで撮影しているのですが、右が最初にシャッターを切った時の写真です。左がその後撮り続けた149枚の写真をRegiStaxで処理したものです。どうでしょうか、クッキリとした写真になりました。2枚の写真を一枚にしてレタッチ処理していますので直接の比較になると思います。拡大すると違いがさらにわかります。もっと明るめにした写真も載せておきます。