先日No.1552の記事で金星が2026/01/06に外合することに触れました。その時の太陽との離角は0.7°でSOHOのコロナグラフのマスクの範囲内に入ってしまいます。そんな太陽近くで金星を眼視で見ることはとても危険、また、撮影道具も太陽光が筒内に入ってしまうと撮像素子等を壊してしまう可能性もあります。

そのようなリスクを承知の上で危険性排除を考慮し金星を導入、追尾しながら撮影を試みました。外合の一週間前ですが太陽との離角が2°程度と近い、しかし以前に撮影した経験もあり同様の方法でリスク回避しながら挑戦。最も重要な点は繰り返しますが決して太陽を見てはいけません。

撮影手順は以下のとおりです。

BENRO POLARISにCOOLPIX P1000を載せてレンズにはND-100000太陽フィルターを取り付けます。POLARISを起動し、スマホで太陽導入、追尾を制御します。静止画撮影モードで3,000mm×4倍の焦点距離にしても太陽が長時間経過してモニターから外れないことを確認し、その状態から金星を導入、追尾に移ります。フィルターが付いていますので真っ暗な画面、これを外します。すると、

今回は以上の段階を経て最初からグレイの空に明るい丸い点が認められました。金星です。シーイングが良くないので揺れや歪んで見えていましたが丸い像です。外合は地球から見て、太陽の後ろに金星がほぼ直線上に並ぶ現象ですから金星の反射光が丸く見えるのは当然のことです。三日月のような金星とは異なり丸い光る点だけで面白みはありませんが、個人的には導入、追尾しながら金星の姿を見ることに成功しただけで満足感が味わえました。また、カメラは撮影後も正常でした。

画像1にP1000による撮影画像(4K動画スタック)を示します。ステラナビゲータ12による太陽と金星の位置関係を表示した画像にペースト。画像2にSOHOのLASCO C3画像を参考に添付しておきます。今日時点の画像が無いので一日前の画像になってしまいます。まだ、太陽マスクに隠れる状態にはなっていませんので右側が金星、左側の太陽に近い光る点は火星が写っています。

画像1 金星 2025/12/29 11:23 COOLPIX P1000 4K 3,000×3.6倍mmで撮影した画像をトリミング

画像2 SOHOによる太陽コロナ、太陽に近づく金星、火星