ISS拡大撮影の記録。

Seestar S50ではISS単独の姿を捉えようと試みているものです。太陽面および月面通過時の撮影は容易ですが暗い空のISS単独撮影は難しい。逆にそれが面白いので、狙った空の位置、秒単位の通過時刻で撮影に成功すると満足感が得られます。

今回はISSが接近通過する参考になる天体はありませんでした。このため、ISSの好みの空の通過位置、時刻をステラナビゲータで確認し、その赤道座標を入力、導入、その位置を追尾しながら通過待ち撮影としました。

撮影条件はシャッター速度、感度を手動設定にしないと撮れませんが、現状のSeestarアプリでは太陽、月以外の天体撮影の場合はその設定ができません。このため、今回は一度土星を選択、GoToのタップとほぼ同時に強制キャンセルして撮影条件の設定を可能な状態にします。強制的にキャンセルするのは惑星の導入で望遠鏡が方向を変えてもらっては困るからです。追尾は土星モードになってしまいますが月ではないのでずれが無く追尾されますので、早めに撮影開始しても画角が範囲外になることはありません。

以下はそま撮影結果です、動画1に示します。撮影に成功したものの明るく撮れ過ぎてしまったようです。もう数回試写が必要かと。映像は2.5倍に拡大し、等倍速、1/5倍速を続けて表示しました。画角内にISSが写っているのは33枚でしたので1.1秒で通過したことになります。1,750mm相当の焦点距離ですのでこのような写りですがもう少しクッキリに写せると期待しています。なお、待機導入位置は最高到達高度に近い47°の座標、距離は577km、2分前に撮影を開始しました。撮影条件は今までの実績から10ms、ゲイン100。

動画1 ISSの拡大光跡撮影 Seestar S50 2025/11/30 17:57:44~17:57:45

次に同時に撮影したCOOLPIX P1000の結果。照準器更正、ピント合わせは月で行いましたが、撮影条件の切り替えを忘れてしまってMモードのままで手動動画モードにせずシャッター速度を1/50秒として動画撮影を行ってしまい失敗してしまいました。あまり例のない失敗なのですが慣れによる油断か、意識しないと。このため、ぐにゃぐにゃした光跡線の画像ばかりで、たまたまぶれがないコマを見つけ出したものです。ファインダーで明るく見えると思って、気が付いた時には地球の影に消えてしまいそうなタイミングでした。なお、3,000mm相当のいつもの焦点距離です。

その明るく見えていたせいでしょうか、消えるまでそのままで追尾したのですが、おかげでかなり赤く、それがすぐに赤黒く、最終的には消えてしまう像まで見ることができました。

P1000による画像、合わせて動画1から作成したISSの比較明処理画像をまとめて画像1に示します。

待受け撮影で調べていた通りの1秒単位の通過時刻およびその空の座標を通過すると予想と結果が一致するとうれしくなります。ゲーム感覚の対応は今後も続けます。

画像1 ISS拡大撮影 COOLPIX P1000およびSeestar S50