雲が多く撮影は無理かと思えましたが雲の流れから途切れる可能性もあると予想し、部屋から南の空にSeestar S50を向けてISSの通過待ち、通過30秒前から撮影開始、画角内を通過するISSを30fps、MP4で撮影に成功しました。

Seestar S50によるISS単体を任意の空の通過を撮影した例はほとんど見かけないと思います。ZWOも太陽面および月面通過のISS拡大撮影は可能とし利用者の撮影例も見られますがISSが暗い空を通過する撮影方法、例は触れていないと思います、恒星、惑星等に接近通過すれば望遠鏡の方向の設定は容易で正確ですが撮影条件はそのままでは光跡線状等になってしまい面白くありません。任意にシャッター速度、ゲインの設定が必要です。

当日のISSの通過は当地では最高高度51°、最短距離(測心距離)は531km。撮影は部屋からなので隣家との関係から方位角の範囲は30°程度に絞られます。Seestar S50望遠鏡が向けられる空の任意な位置として通過時刻の高度41°、ほぼ真南と決めました。撮影条件はうれしいことにSeestarアプリが最近のアップデートで月が地平線下にあっても導入できるようになりましたので、それを利用し、撮影条件を露光4ms、ゲイン100として設定、待機。

撮影結果を以下に示します。画角内通過時刻はステラナビゲータとピタリ一致し、現地では2025/11/12 17:41:16でした。動画1は設定した空の位置の画角内を通過するISSです。45コマにISSが写っていましたので1.5秒間で画角内を通過しています。焦点距離が1,750mm相当で撮影したことになります。この動画から比較明処理した画像およびその部分拡大画像を画像1にまとめて示します。拡大撮影とは言えない写りですが、光る点の周りは何となく太陽電池パネルの存在を連想させるものです。天頂に近い通過があれば面白そう。

動画1 ISSの拡大撮影 2025/11/12 17:41:16 Seestar S50(1,750mm相当)による2KサイズのMP4

画像1 動画から作成した比較明画像