No.1513では10月になると18:30過ぎには話題の彗星が見えてくるので楽しもうと書き込みました。現在ではまだ彗星は高度が低く直ぐに沈んでしまいますので難しいとタイミング待ちの状態でしたが、なんと、ほんのり光房様でスターホッピング方法でSWAN彗星を捉えた記事「SWAN彗星・いて座新星を捕獲 2025/09/28投稿」が掲載されました。撮影は2025/09/27とのこと。
明るい星を頼りに導入、撮影までの過程が示されていて、ステラナビゲータの星図中で導入までをトレースすると楽しめました(掲載画像は赤道座標表示)。
その後「雲間のSWAN彗星 2025/10/01投稿 撮影は2025/09/30」にもSWANを捉えた画像が報告されました。画像は赤道座標表示。
個人的に夕方以降の撮影を主としていますのでこれらの情報は参考になり引き込まれます。
それならばスターホッピングではなく一発ジャンプで捉えられるSeestar S50で一度試そうと。当日の西空は雲が流れていましたが、もしかしたらと思いSWANに向けました。
導入は彗星を選択するのみ。プレートソルビングは空の明るさにより恒星の認識ができないので失敗します。このため望遠鏡が彗星に移動、自動撮影開始後に強制的に中断し、同期、追尾させます。途中で停止しても導入はできているはずと考えられるからです。その状態で星雲星団ライブモードにし撮影を開始します。自動的にフラット、ダーク撮影は終了します。フォーカスはそのまま(最適値を事前に設定済み)にしました。なお、詳細設定のLiveメニューをオフにして、撮影画像を取り込みます。Liveオンにするとプレートソルブが認識されない限り記録されないからです。
結果として40枚近くを撮影しましたが、雲ばかりでした。かろうじて恒星が写っていた4枚を取出し、これらを加算平均処理(スタック)しました。採用した画像は、18:37~18:38です。この時の彗星の高度は約5°。モニターのライブ画像では恒星かなと思われる光点が薄く見えていましたが彗星は認識できていません。
その4枚のスタック画像を画像1に示します。かなり粗いのですが下半分の白い領域は流れる雲です。その中に5個の光点が見えています。
画像1で中央の恒星のやや左上に薄いもやもやが見えていてもしかして彗星と思いステラナビゲータ12の星図と比較しました。その星図を画像2に示します。地上座標で、その画像には実際に写っていた恒星の明るさをステラナビゲータを参考に表示しています。一つの恒星のみ10.96の明るさと表示されましたがそのまま適用。
画像1および画像2を使用しGIF画像にしました。画像3に示します。自分の目によるプレートソルブではないのですが、5個の恒星の位置はステラナビゲータの画像と一致しているように見えます。この比較結果から画像1のもやもやはスワン彗星と考えられます。
彗星の画像を撮りたいのはやまやまですがまだ無理、まずは試しにと。彗星のもやもやは見られるものではないのですが写っている可能性に注目しました。コンパス、レベル調整さえしっかり設定すれば導入精度はかなり良いと考えられます。その後、晴れが続かないのですが天気予報では来週の10月08日、09日頃には晴れる可能性も、また18:40頃には彗星も高度10°以上になり明るさも増すようですので、この頃にはSeestarの通常の撮影方法で撮れるようになるのでしょう。ダメな場合は上記の方法で。
20日頃にはレモン彗星も期待したい。
画像1 C/2025 R2 SWANに向けて撮影 Seestar S50 2025/10/02 18:37
画像2 C/2025 R2 SWAN付近の星図 ステラナビゲータ12による
画像3 C/2025 R2 SWANの可能性の確認 画像1および画像2のGIF画像