SeestarによるISS/CSSの太陽面通過および月面通過の拡大撮影(250mm=1750mm相当)は自動撮影条件(シャッター速度、感度)で可能です。これはISSの姿を形として捉えられる撮影条件ともほぼ一致しているからでしょう。
太陽、月以外の暗い空を通過するISS/CSSを拡大撮影するためには撮影条件は自動ではなく高速シャッターにして感度を上げる必要があります。この設定は暗い空を対象にした「星雲星団」モードではできません。シャッター速度が10秒以上になってしまい、その条件変更もできないからです。「太陽系」か「風景」モードにすればシャッター速度、ゲインが任意に調整できますのでそのメニューを選ぶ必要があります。
現時点最適なSeestarによる撮影条件が把握できていません。Seestar以外の道具によるISS拡大撮影の経験から月が適度の明るさに写せればISSの姿(拡大撮影)も写せると考え、このため以前にSeestarによる月を対象にして撮影条件を探し出しておきました。参考となるその撮影条件を下記参考欄に撮影例を載せておきます。シャッター速度は1/250秒~1/1000秒、ゲインは10~100程度が適切かと考えられます。
今回、ISSではないのですが、暗めのCSSが通過するチャンス(撮影狙い時:高度51° 距離492km こぐま座のβコカブ接近)がありましたので試写。恒星の明るさが気になって(全く見えなかったので)、シャッター速度は1/250秒、ゲインを300程度にしてしまいました。結果として明るく撮りすぎたかもしれません。しかし、Frame Rateは30fps、また各フレームは明るすぎたもののCSSの像は線状にならず姿として記録されました。
動画1にその通過するCSS、画像1に比較明処理した一枚画像を示します。CSSは画角内を約0.9秒で通過。画角には横幅がちょうど月全体が写る程度の望遠に相当しています。ISSが天頂通過に近い高度であればこの焦点距離程度であればソーラーパネルが識別できる程度に映ると思いますので機会を楽しみに待ちます。
動画1 CSS Seestarによる撮影 2025/06/05 20:41
画像1 CSSの通過比較明処理(動画1から)
参考
SeestarによるISS拡大撮影では太陽面、月面通過時の場合は例がありますが、暗い夜空の通過する様子の撮影例はほとんど無くまた撮影条件も明らかでありません。このため、月が適度に写ればISSも写るので月で自動撮影でなく撮影条件を変えて撮影し条件を見つけ出そうとしました。なお、自動撮影では中央の画像と同じになります。
撮影例 2025/05/13
下記の撮影条件にすればISSも拡大された姿が写ると考えられます。
参考画像 ISS拡大撮影のための撮影条件パラメータサーベイ