ひまわり9号の画像には金星の内合以後、06月上旬まで毎日地球自転に対応して地球背後に金星が写る可能性が有ります。画像の解像度を抜きにすれば金星の姿、形だけであれば地上からの望遠鏡観測と似たようなデータが得られその光る弧の細さ、大きさの経時変化を知ることができます。
内合以後、金星が2025/04/17まで2、3日の間隔で写っていることを確認しましたが、これ以後は写らず、やっと8日間経過して2025/04/25に写り込んでいました。これは金星の写る位置が地球の赤道近くになり撮影範囲がかなり狭くなっているためです。
その最近写った金星を画像1に示します。CIRA/RAMMB/JMAのBand3画像です。
画像1には地球外の撮影範囲を合わせて示しています。グリーンの円の部分に金星が写っていましたが、撮影範囲が極めて狭いことがわかるでしょう。この日の約1時間後には東側(右側)に金星が地球から再登場するのですが撮影のタイミングがずれて写っていませんでした(ひまわりのこの地球全画像は10分間隔で撮影されています)。
ここで以下注目した点を示します。
この狭い部分の金星画像を拡大表示させると予想よりも光る弧が中途半端に見えます。ちょうど金星没(地上で観測していた場合は金星が沈むと言うのでしょうか)直前で地球の大気層にかかっているようにも思えます。地球の背後になっていて大気の屈折による影響の可能性はどうなのでしょうと考え込んでしまいました。この像が地球の地上縁と金星の見える幾何学的位置(角度)との関係や大気の屈折の大きさを考慮すると答えが得られ面白そうなのですが個人的には定量的評価までは…残念。
画像1 ひまわり9号による金星 2025/04/25 CIRA/RAMMB/JMAより
(追加)
前日2025/04/24には金星が写っていないことを確認後、月がちょうど地球の背後に写り込む頃でしたので確認したところ、画像2のように地球の東西で月の入り、月の出が写っていました。左側の月は撮影範囲内に納まらず途切れていますが、右側には地球に隠されている領域はあるものの月齢26.0の全体画像のように写っています。この画像では上記金星の画像のように大気の屈折効果が現れ、地球の大気層に関連して絞られているように見えます(地球との明暗の境界で少し明るい部分)。
画像2 ひまわり9号による月 2025/04/24 CIRA/RAMMB/JMAより