Seestarの赤道儀モード(EQモード)で撮影したことが無いので、S30を利用してその性能を近くの公園に出て確認することにしました。

ネットで先行例を参考にほとんど使ったことがないVelbon PHD-63Qの1ストップ用雲台およびBENRO三脚 (FRHN14C+VX20 1型4段)を取出し、その組み合わせで実行しました。

結論を先に述べてしまいますが、本体を三脚に載せるだけで他の備品等は必要なし、水平レベル、方位の更正も必要としません。ただ当然なことですがプレートソルビングが可能なように空が開けていることが前提、操作上、北極に合致させるため角度調整が必要でそれに対応する微細調整し易い運台とすればさらに簡単に赤道儀化できてしまいます。

そのおかげで露光時間が長く取れるようになり(今回は初めてのことですので普段の10秒から20秒へとしました)、経緯台式の短所フィールドローテーションが無くなり画面いっぱいに表現ができること、それにスタックのための画像の採用率が今まで60%程度だったのに対し100%(今回20秒×63枚の連続100%で、棄却された画像は無し)になりました。

一方、本体が箱型の形状から不自然のような姿勢になり、場合によっては転倒の不安を感じてしまいました。しかし、三脚を大きく開き、転倒防止にも配慮した本体を傾ける側(北)に一本の脚をセットし重量がそれにかかるようにすれば専用の架台やバランスウェイトの考慮等も不要と思いました。今回赤道儀モードを調整した後、目標天体に向けた際の全体の姿勢を画像1に示します。

画像1 Seestar S30の赤道儀式EQモード選択した場合の撮影時の姿勢

ご覧のとおりかなり窮屈な体操選手のようなひねりわざのようになって思わず笑ってしまいました。もちろん当日は転倒せずに撮影ができましたが目標天体移動の際は思わず本体には触れませんが手が出てしまいました。

今回の三脚の開きでは、終了時に試しに指で傾きそうな方向に本体を突いてみたのですが軽く倒れそうな感じも受けました。ここは注意すべきでしょう、強い風の際はなおさら。今回はS30でしたがS50になるともっと注意を払うべきかもしれません(追加:S50ですとさらに心もとなくなる感じになりましたので重心が三脚の中央になるようなアダプターも要検討です。2025/04/11追記)。

このようにして撮った画像の例としてM51子持ち銀河を21分間撮り続けてみました。月も撮っておきましたので合わせて画像2に示します。M51の撮影は短時間ではありますがフィールドローテーションの様子は見られませんでした。アプリもますます改善され、こんな明るい公園でもそれらしく表現できてしまう内部スタック、ノイズ除去が素晴らしい。太陽、月、惑星であれば今までの経緯台式で良いと思いますが星雲、銀河等の露光時間や枚数が必要な場合はこのEQモードは最適です。

画像2 Seestar S30の赤道儀式EQモードの撮影 M51の撮影時間は20秒×63枚分 内部スタック