夕方/宵の空が晴れない日が続きます、その分ひまわり画像で楽しみます。2025/03/31以後金星は写っていませんでしたが2025/04/05に地球西側のインド近くの緯度27.5°に相当する宇宙領域に写っていました。
NICT*1以外にもNOAA(NESDIS)*2/CIRA*3/RAMMB*4/JMA*5(気象庁)の方でも同データが確認できます。ここでは後者のページからBand3(RED)の画像で確認しました。
画像1に金星を示します。右側は地球でその左側の狭いスキャン撮影領域に入りました。さらに拡大した金星も合わせて示します。
画像1 ひまわり9号による金星画像 2025/04/05 12:40:00 UTC(同日21:40:00 JST) CIRA
個人的に金星の明るいリング(弧状)の向き(太陽の方向に向いている)とその幅、太さが気になりましたので金星内合前後の経時変化をステラナビゲータ12でサーベイしました。その作成したGIF画像に上記2025/04/05時点のひまわりの金星画像をペーストしました。それを動画1に示します。
動画1 金星の内合前後(2025/03/01~2025/04/30)の地球から見える金星の位置、姿の経時変化
ひまわりの金星画像では内合が2025/03/21でその前後はリング(弧)が急速に西から東へ回り込む様子が示され、04/05時点で既に光っている方向は見かけ上一定になりつつあります。
細い金星なのは間違いないのですが内合とは言ってもどの程度の太さの差があるのかステラナビゲータ12でサーチしました。
太陽面通過では金星の黒い円盤状に見え、自身でもNo.067に示すように撮影しましたが、次回は2117年12月11日 08:59~14:41(ステラナビゲータ)ととんでもない先のことです。その間は太陽面通過はありません、金星は毎回リング状(弧状)に見えるはずです。
そのリング幅が2015年~2036年の内合時にどのように変化しているか表1の諸データから確認してみます。輝面比の有効数字が小さいので太陽との離角で比較すると今回のリング状の幅は相対的に幅広に見えた方と想定されます(きわめて主観的ですので注意。太陽との離角で、9度以上:太めの弧、7度程度:やや太めの線、7度以下:細い線状、5度以下だと線が見えない)。
表1 金星内合時の太陽との離角および金星リング状(弧)の見える方向等
内合日時、太陽との離角(°)、太陽に対する惑星の南北位置、金星のリングの極側、輝面比、見た目の線状の細さ(個人的な主観)の順に記述。
2015/08/14 12:52 8.089E S N 0.01 線状
2017/03/23 12:42 9.194E N S 0.01 線状
2018/10/25 11:12 6.947E S N 0.01 極細線状
2020/06/04 01:48 0.498E N S 0.00 見えず
2022/01/09 00:14 4.806E N S 0.00 見えず
2023/08/12 06:44 7.902E S N 0.01 線状
2025/03/21 02:54 9.299E N S 0.01 線状
2026/10/22 22:13 7.243E S N 0.01 極細線状
2028/06/01 17:15 0.843E N S 0.00 見えず
2030/01/06 14:30 4.462E N S 0.00 見えず
2031/08/10 00:32 7.707E S N 0.01 線状
2033/03/18 17:25 9.389E N S 0.01 線状
2034/10/20 09:11 7.530E S N 0.01 極細線状
2036/05/30 08:40 1.190E N S 0.00 見えず
*1 NICT: 情報通信研究機構
*2 NOAA(NESDIS): National Environmental Satellite,Data,and Information Service
*3 CIRA: Cooperative Institute for Research in the Atmosphere
*4 RAMMB: Regional and Mesoscale Meteorology Branch(Cooperative Institute for Research in the Atmosphere)
*5 JMA: 気象庁 Japan Meteorological Agency