2年前になりますが金星の内合前後にその細いリングが太陽との位置関係(方向)により北側(金星の上部)に回り込む様子が気になりNICT:情報通信研究機構のひまわり9号の画像を基に整理したことがあります。No.1204にそれをまとめています。

その記事中に記していたのですが、2年後の2025年の内合時には太陽との位置関係から南側(金星の下)に回り込み、内合前にはひまわり9号画像には写らないが内合後は写ると予想していました。そこで今回、内合を過ぎましたのでひまわり9号の画像に金星が写っていることを期待して調べました。

写っていたのは現時点までの短期間ですが2025/03/23 23:20JSTおよび03/25 23:30JSTのみでした(見逃しの可能性があります)。上記の日付にリンクしています。ピクセル数の少ない画像ですので期待してはいけません、暗いですが写っていることをお楽しみ下さい。

その金星を画像1に示します。下段が地球全体画像。これは絵ではありません。実際の撮影画像に海岸線を加筆しているものです。地球が真っ暗なのは太陽の方向がちょうど地球に隠されていてひまわり9号から見れば地球による太陽の掩蔽で、太陽は金星からほぼ地球の半径程離れた地球の裏、中央付近に位置しています。

中段が部分拡大(拡大すると金星が見えます)、上段の画像はその中段の画像から極端に拡大した場合の金星画像です。金星画像は撮影スキャンの方法からRGBに分離し赤、青、緑が連なってしまいます。参考にRGB分割した画像を画像2に示します。単純に一つの画像として見えれば良いと思って処理しただけのことです。リングが二日間の差でも時計回りに目立って回転している様子がわかります。

これ以後、6月上旬まで地球の背後に金星が毎日通過しますので地球の北半球の領域にタイミングが良ければ写ると思われます。しかし、金星は内合後ですので視直径も小さくなり4月下旬になるとリングの回り込みの変化も小さく興味としては一か月程度かもしれません。

画像1 金星画像の確認 NICT:情報通信研究機構 ひまわり9号の画像から

画像2 画像1の金星拡大画像のRGB分割画像 NICT:情報通信研究機構から