2024/12/08には土星、12/09には海王星の掩蔽(食)がありました。土星の掩蔽はBENRO POLARISにCOOLPIX P1000(以下P1000)を載せて追尾しながら、それにSeestar S50(以下Seestar)を加えて2台で、海王星は出現のみSeestarで撮影を楽しみました。

1. 土星掩蔽

当日は強風下で傘を風よけとして持参しましたがあまりに強く画像の揺れを抑えることはできませんでした。特にP1000のモニター画面では焦点距離を最大にしましたので像がビンビン振れました。

最初にSeestarによる動画を6倍速にして示します。動画1のとおりです。P1000に比較するとコンパクトで焦点距離も短いため風による映像の乱れは少なかったと思います。潜入時は消えるまで撮れましたが、出現時は明るさ調整に失敗し、出現2分経過後の映像になってしまいました。

潜入時は見慣れたアルプス谷が目につきますし、出現時にはアリストテレスが見え楽しめました。土星の環は細い。

動画1 土星の掩蔽 2024/12/08 Seestar S50による映像

P1000の方では常時揺れた映像になりましたので編集時に揺れの少ない数秒間を探し、連続60フレーム(2秒間)を取出し、AS!3でスタック、土星の潜入、出現の画像としました。場面として4枚の画像を処理取得しましたが撮影記録からそれぞれの時刻は以下のとおりです。これらをGIF画像にして画像1に示します。

潜入直前 18:18

潜入途中 18:19

出現途中 19:01

出現直後 19:02

画像1 土星の掩蔽 2024/12/08 COOLPIX P1000による潜入時および出現時の画像

2. 海王星掩蔽

海王星掩蔽の撮影は出現時のみ。玄関の前にSeestarを置いて撮影しました。しかし土星掩蔽時と比べて海王星は7.9等と暗く、月の明るさと大きな差があり、かなり撮影は難しく感じました。なお、潜入は17:26、出現は18:26とステラナビゲータによる予測でした。

いろいろな条件で撮影したものの結局海王星と見えたのは出現時刻をかなり過ぎ15分後になってしまいました。画像2に月の表面が見える画像と海王星が写った画像を並べました。Seestarはそのままの状態で明るさの撮影条件を変えたのみです。左の月の光で白飛びした画像に海王星が見えていますが、その位置を右に移動する右の月からかなり離れている様子がわかります。海王星が月に接近と書いた方が良いかも。

画像2 海王星の掩蔽時、出現後の月との位置関係

さらに時間が進み、18:44に撮影した20秒間の録画の第一フレームを使用し、ステラナビゲータ12による同時刻の月と海王星の位置関係を描画し比較した画像をスライダー表示にして画像3に示します。それにしても白飛びにもほどがあります。

適切な撮影条件は見出せませんでしたが、月齢にもよるのでしょうが、かなり明るめに撮ることが必要と考えられます。次回の掩蔽現象時の参考にします。

画像3 海王星の掩蔽、出現20分経過後の月との位置関係 Seestar S50による画像とステラナビゲータによる画像の比較