連日晴れが続いており観測撮影日和、うれしいことです。ここでは昨日撮影した彗星C/2023 A3を例にして今までのスタック画像と最近アプリに組み入れられたノイズ除去処理後の画像と比較した結果を示します。

最新(アップデートは2014/11/25)のSeestar S50のアプリはV2.2.0、ファームウェアが3.58です。このバージョンには追加された機能として本体に記録されている画像を利用し、星雲・銀河画像補正メニューを選択すると、指定した画像グループのスタック処理が行われます、さらに必要であればIntelligent Denoisingをタップすることによって処理が追加されます。どちらの処理画像も保存ができますので比較が可能です。

今回、彗星C/2023 A3のスタック画像を見ていてコアもテールもかなり小さくなり背景が粗く感じてしまいました。そこで上記ノイズ除去処理を行った画像ではどのように変化するか比較してみようと思いました(Seestarアプリでは初めての適用)。

画像1にスタック画像とさらに追加してDenoisingした画像を並べて示します。どちらも何も調整、加工していません。単純に処理した画像をそのまま並べたのみです。もちろん60枚のそれぞれの画像は見た限りではこの処理画像と比べて高いといったものは無く、品質もばらついています。

画像1 Seestar S50による彗星C/2023 A3のスタック画像およびスタック+ノイズ除去画像の比較

以下は自身の感想ですので注意してください。

スタックのみの画像では下地があらく表示されています、彗星の尾も随分と小さくなったものだと感じました、一方、ノイズ消しの画像の方は下地が滑らかになり恒星の数も同等か良く表現されているように思います。ただ、左のスタックのままの画像の暗めの恒星が明るめに処理されているように思います。そのためか彗星の尾も明るめに表現されているように思います(スタック画像を明るく表示しただけのように見えるかも知れませんが下地は大きく異なります)。

さぁ、どうでしょう。やはり個人個人の思い、好みでノイズ除去処理の是非が変わってくるように思いました。

スタック技術に関してはほとんど肯定されると思われますが、一枚写真の方が良いという方もいらっしゃいます。科学的データの有無と合わせて画像の品質等から、主張がばらつくのは当然の事かも知れません。さらにノイズ消しするのは嫌だという方も結構いらっしゃるように思います。しかし、デジタル時代の流れです、個人的には良く撮れた画像をもっと見た目を良くしたい、ノイズ消しも良いのではないかと思います。ここで大切なことは画像の処理が撮ったままなのか、処理をどのようにしたのか明示することが重要と思います。写真が撮ったままでない場合は注記することを心掛けたいと思います、しかし自身も未だに忘れることが多いです → 改めて反省。

(追記)

参考に二枚の画像をスライダー表示にして画像2に示します。

画像2 Seestar S50による彗星C/2023 A3のスタック画像およびスタック+ノイズ除去画像の比較