今回、Starlinkがちょうどベガに接近通過する機会がありましたので双眼鏡観察と固定動画撮影を実行。撮影はカメラにまかせて双眼鏡で通過するのを眺めました。横浜上空です。ベガを見ていましたのでそこを最初に通過し始めたのは19:16:02(カメラの撮影記録から)で、以後19:16:53(同記録)までの約50秒間に22個が通過し、南東に消えて行きました。G6-9は打上げられてから既に一週間ほど経過していたためでしょうか広がり、ばらついていた印象でした。銀河鉄道と言うよりは1秒~4秒間隔で通過するマラソンランナーのような感じでした。迷惑衛星とも言われますが連なって動く光には引き寄せられます、堪能できました。
動画撮影はEOS-M6 ISO-3200 55mm 1/30s/frameで対応。長時間露出の光跡撮影にしようと思いましたが直前にStarlinkの動きを連想して動画で撮ることにしました。事前にベガが写っていることを確認していたのですが編集時にはベガのみで衛星は見えませんでした。ボツにしようとしましたが強烈な明度調整等を行い、衛星が通過する様子が確認できました。粗い映像ですが記録です。
動画1にファイル容量の関係から10秒間を抜き出してベガを通過する先頭のStarlinkの様子を示します。映像はかなり粗くなってしまい、Starlinkも暗いのですが注意して見ていると移動している様子がわかります。左上から右下に通過しています。撮影は等倍速で行いましたが2倍速再生で表示しています。画面では約6秒間で上から下へと、実際は約12秒間です。
動画1 ベガ接近通過中のStarlink 於:横浜 2023/08/18 19:16頃 EOS-M6 M用55mmレンズ
動画の中から一枚だけ抜き出して画像1に示します。ベガとStarlink衛星以外はノイズです。写野の大きさがわかるように以前に同焦点距離で撮影した月の画像をそのまま貼り付けました。動画と異なって点ですのでさらに見づらくなっていますので矢印で示しておきます。
画像1 Starlink 5個が写っている1コマ 2023/08/18 横浜上空
さらに動画の全フレームを使用して比較明処理した画像が画像2に示します。感度が高く粗い画像になってしまいましたが、ベガを通過する全衛星の光跡です。かなり不鮮明ですが記録として載せておきました。明度を上げるとはっきりしてくるのですが、粗くきれいな画像にはなりません。モヤモヤしているバンドの中に22個の衛星の軌跡として現れているものです。
G6-10およびG7-1が最近打ち上げられました。チャンスがあれば再度観察したいと思います。ISS、CSSと同様に見ごたえがある人工天体です。それよりもHAは回復して欲しい。
画像2 Starlink G6-9(2023/08/11打上げ)の光跡 横浜上空 白い縦棒はベガ その他はノイズ