今回は金環食と皆既食が地球上で見られるハイブリッド日食でした。ネットでは皆既日食、部分日食が数ライブに見られ楽しめました。家で見られる日食に配信の関係方々に感謝。

その日食の進行時刻に対応させてNICT:情報通信研究機構のひまわり9号の地球画像で月の影を追跡しました。参考に今回の地球上の日食予想図をNASAから引用して備考欄に示します。なお、ひまわり8号のデータ公開以降、今までに地球画像から日食時の月の影を確認した例はNo.544にまとめています。2019年以降のデータは「特集、参考記事」の”ひまわり8号による地球と共に写った天体“にあります。今回の事象もデータベースとして追加します。

さて、画像1に今回の日食時ひまわり9号の地球画像を示します。最大食時に最も近い2023/04/20 13:20 JSTを代表例として示しています。最大食時刻は備考欄のNASAの図から13:16 で数分後の画像に相当します。左の原画像(サイズは縮小)では暗いので、影を目立つように単純に明度を調整して右の画像に示します。オーストラリアの北部の黒い領域が月の影です。月影の上に白く太陽の反射像も見えています。太陽、月、地球が一直線上になる時間帯に地球から約3万6千km離れた赤道上空宇宙からの画像になります。

画像1 ひまわり9号による日食時の地球画像 2023/04/20

日食時に月の影が見えそうな11:00~15:00までの10分間隔のひまわり9号の全画像(11:40はデータ無)を拾い比較処理しました。それを画像2に示します。左の画像は一旦各原画像を明るくし、それらを比較暗処理したものです。そのように処理しても月影は帯状になってしまいましたので、さらに明るくして月影を小さくなるようにしました。月影の移動曲線が良く見え、下記備考欄にあるNASAの図と一致しています。

太陽、月、ひまわり9号、地球の四天体の位置関係、例えば太陽を固定し、地球の自転、ひまわり9号の地球自転に合わせた公転、そのひまわり9号の背後に月が位置する状況を、地球に写る月影の位置、形、太陽の反射像を見ながら対応連想させると面白い。私の思い浮かべた連想では影の曲線軌跡のイメージ作りまでは無理でした。

画像2 ひまわり9号による日食時の月影軌跡像 2023/04/20


備考

NASAから引用した日食図を画像A-1に示します。本文の画像とあわせて比較すると良く理解できます。

画像A-1 NASA Eclipse Web Siteより(https://eclipse.gsfc.nasa.gov/eclipse.html)