1. 概要

ISSが天頂通過しました。シミュレータ・ステラナビゲータ12および通過予測サイトHeavens-Aboveによれば高度は89°、最短距離は419km、明るさは−3.9でした。これらの諸データは備考欄にまとめて示します。

滅多にないチャンスでしかもCARGO DRAGONが打ち上げられたばかりでしたので事前にSpaceX社のページを確認したところ、ドラゴンが予定では20:52(JST)にISSとドッキングすると記載されていてちょうど日本上空天頂通過がその2時間前でしたのでISSとドラゴンのランデブーが見られるのではと予想。なお、ドッキングは結果として上記最新ページに20:31であったことが報告されています。(ページの内容の変更があるかもしれませんので注意)

ネットではランデブーは肉眼で見えたとの報告が多いようでした。拡大撮影に専念していましたので自身で眼視確認はしていません。しかし、会社友人からも見えていたとの情報から原映像を確認したところ、焦点距離3,000mm相当(COOLPIX P1000の定義で125倍)の撮影でもISSを追いかける様に後ろに白い点が見えていましたので写っている可能性があります。そのデータ整理は進んでいませんので、ここでは拡大撮影と光跡撮影をまとめることとし、ランデブーに関しては後日別記事とします。

2. ISS拡大撮影

動画1に天頂通過前後のISSを示します。4K動画からクロップして再動画化しています。映像の初めは南西から昇り天頂を目指すISS、途中で撮影方向を180°反転して北東へ遠ざかるISSを追跡しています。天頂到達までは逆光のため少し暗く進行方向は上です、天頂通過後は明るさが増しラジエータが白く光っています。日本の実験棟”きぼう”もソーラーパネルも映像後半に見えています。ソーラーパドルiROSAでしょうか一系統が太陽との反射角の違いでしょうか、オレンジ色に輝いている様子が映っています。進行方向は下です。”きぼう”は進行方向先端に位置し映像では先端横に細い棒状に見えている部分です。

動画1 ISS拡大撮影 2023/03/16 COOLPIX P1000 4K動画 ISO-400 f/8 3,000mm相当 1/500秒/フレーム

これらの動画(4K原映像)からベスト画像を選んで一枚にまとめました。その結果を画像1に示します。やはりオレンジ色のパドルは美しく見えます。ファインダーで追跡中、赤っぽく見えていたのはこれだったのですね。

画像1 ISS拡大撮影 COOLPIX P1000による4K動画から 7枚を選択貼り合わせ 天頂到達前後

右端から左端に向けて時間が経過しています。画像中の縦線は並べた画像の天頂の境、到達前後をわかるように表示しています。少しボケ気味ですが、この道具ではNo.1133並みとは行きませんが満足できる画像です。

3. ISS光跡撮影

画像2に光跡画像を示します。28枚の画像をSiriusComp64で比較明処理しています。画像はEOS-M6に7.5mmの魚眼レンズを取り付け、真上に向け、自動リモコンシャッターで撮影。10秒間の露光で、2秒間のインターバル、その繰り返し撮影です。

画像中央が天頂で、上側が北、下側が南、左が東、右が西(少し反時計廻りに方位が少しずれています、金星はほぼ西のはずですので)。金星、オリオン座、ふたご座、プロキオン、プレアデス、ヒヤデス星団等と目立つ星ばかりで楽しくなります。もちろん目ではこんなに見えません。

右下南西から左上北東に真っ直ぐに軌跡を描いているのがISSです。曲線は飛行機です。

画像2 ISS光跡 2023/03/16 18:52~18:57 EOS-M6 ISO-200 7.5mm魚眼 10秒+2秒間インターバル繰り返し撮影 SiriusComp64で比較明処理


備考

Heavens-Aboveから地上軌跡を画像A-1、星図等を画像A-2、ステラナビゲータ12による夜空を画像A-3に示します。

画像A-1 Heavens-Aboveによる地上軌跡

画像A-2 Heavens-Aboveによる星図等

画像A-3 ステラナビゲータ12による当日の夜空とISS通過時刻