先週土曜日になりますが現地でISSが高度75°、距離441km、光度-3.8の通過が予想されましたので広角によるその光跡および超望遠で拡大撮影を試みました。地上軌跡では北西方位から新潟、栃木、茨城を通過し南東の太平洋へ抜けるコースでした。

ただ撮影前の事前予測調査で少し通過データがアプリ間(StellaNaviとHeavens-Above)で異なり戸惑いました。前夜はStellaNaviとHeavens-Aboveの予想は同じでしたが一日経過した当日午後に再度確認したところ、通過時刻が1分弱、高度が10°も異なってしまいました。TLEデータを確認したところ、リブーストのためかちょうど大きな軌道変化が発生していてそれと対応していたように思います。Heavens-Aboveの方が最新のようでしたのでそちらを採用しました。これら撮影時の地上軌跡等の図を備考欄に示しておきます。

光跡撮影と拡大撮影は目で捕捉しますのでどちらの予想になったとしても問題はありません。しかし太陽面や月面通過の場合は影響する場合があり、やはり可能な限り最新情報で確認することが良いと考えられます。

以下は今回の撮影結果です。

1. ISS拡大撮影

北西から昇り、最高高度到達後、南東の太平洋に遠ざかりました。‏‎動画ファイルの記録から18:03:41~18:07:49間の約4分間の撮影。写野内に捕捉できたのはフレーム画像の善し悪しは別にして全体の50%程度でした。

このうち、18:05:06~18:05:54間のほぼ50秒間の日本列島上空通過時に相当し、天頂近くの通過前後の様子を動画1に示します。良いと思われるフレームを残し30fpsで処理した結果です。ISSはとても明るくキレイに見えました。撮影条件は明るい事を考慮してISO-400、1/500秒に設定。結果としてこの設定は成功しました。

動画1 ISS拡大撮影 2023/02/04 18:05 COOLPIX P1000 4k動画撮影 ISO-400 f/8 3,000mm相当 1/500秒/frame

ISO感度を落とした分、画像が鮮明に映りました。久しぶりに満足できる映像です。先頭には若田宇宙飛行士が搭乗したクルードラゴン-5が白い点のように見えています。この動画ではソーラーパネルが識別できますが、向き、傾きがいつもより違うように見え、遠くから近づく段階では鳥が地上を見渡すような姿勢に見えました。

これらの動画(4K原動画)から5フレームを取出し一枚にまとめて画像1に示します。P1000では解像度の良い写りになりました。

画像1 ISS拡大撮影 2023/02/04 18:05 COOLPIX P1000 4K原動画から代表例として選定

2. 光跡撮影

EOS-M6に7.5mmレンズを付けて南の方角にそのまま前後に90°回転して天頂に向けて撮影。画像2に比較明処理して示します。いろいろな天体が写っていますのでスライダー表示にします。(以下に画像が現れない場合はブラウザーのページ更新ボタンをクリックすると現れると思います)

画像2 ISS光跡 2023/02/04 18:04~18:07 EOS-M6 ISO-200 7.5mm 10秒 + インターバル2秒間 “赤い+”は天頂

上下左右はそれぞれ北、南、東、西です。東から西に横切る線は飛行機、しかし、珍しく、光度が途中で変化したり西側で二つに分かれている、これって二機?、何を操縦士はしていたのでしょうと。撮影時には見ていませんので全く記憶がありません。


備考

Heavens-Aboveによる星図、地上軌跡等のデータを画像A-1~画像A-3に示します。

画像A-1 ISS通過 Heavens-Aboveによる

画像A-2 ISS通過地上軌跡 Heavens-Aboveによる

画像A-3 ISSの高度 Heavens-Aboveによる