晴れましたのでBENRO POLARISにEOSKissX7i+70-200 4Lレンズを載せてZTF彗星等を撮影。光害と月齢10.6のため空は明るく識別できる恒星は少ない。彗星も見えませんがその見えない天体の導入と撮影を楽しもうと。以下はその撮影記録です。なお、02月1日は彗星と地球との距離が最短になる日。

POLARISのコンパスキャリブレーションに続くアライメント調整は”シリウス”。焦点距離200mmで画角に入りましたのでジョイスティックボタンをスライドしたりしてセンターへ。ピント調整はカメラ側のモニターで実施。以後、焦点距離の変更とピント合わせ以外は全てiOSアプリのPolaris画面で操作。

アライメント調整後、目標天体ZTFの座標をiOSアプリのStellariumで検索、メモして(一度に覚えられる方は必要はありません。Ra/Decですので、両方を一度に入力しないとアプリ間の切り替えの際に消えてしまいます。これは開発チームへの要望の一つになるかも知れません)それを入力しZTFへGoTo。カメラモニターでもアプリPolarisでも彗星は見えませんので一度試写。見事に焦点距離200mm(320mm相当)の画角内のほぼセンターに入っていることを確認しフレーム枠を決定。ISO感度、シャッター速度、F値、WB、撮影枚数とインターバルを設定後、シャッターボタンをスクロールして撮影開始。

個人的にはBENRO POLARISを使用した天体撮影の基本的な性能確認の最終段階になります。ここでは一言だけ。「赤道儀の性能と同じとは言えませんが、許容範囲です、それよりも取扱いの利便性に軍配があげられます。複数の天体を撮影する時のこの容易さは楽な姿勢で、即撮影に入れるのはありがたいものです。この日もこの後、オリオン大星雲、プレアデス星団、月、シリウスと行ったり来たりしましたが、画角から外れることはありませんでした」。

問題は写りの方でしょう。これは冒頭に記したようにどうしようもありません、光害フィルターも考えましたが、今回はそのままで行こうと。光害最大の地域でさらに月が出ている日なのでそれなりにでしょうか。200mm(320mm相当)、ISO-800、f/4、15秒で20枚撮影しました。露光時間やISO感度を変えて撮りましたが背景が灰色(白っぽい)になってしまい15秒としました。それだけ空が明るいのです。枚数が少ないので画像は粗い。ダーク、フラット画像は撮っていません。

画像1にZTFを示します。ぼやっとしてテイルは写っていません(きれいに写っている画像はたくさんネットで見られます)。5分間の撮影でもそのまま恒星基準でスタックすると彗星は少し線状に伸びてしまいましたのでRS5の方で彗星基準でスタックした画像です。このため恒星の方は点状にはなりません。

画像1 ZTF彗星 2023/02/01 20:52~20:57 EOSKissX7i+70-200mm4Lレンズ ISO-800 f/4 200mm(320mm相当) 15秒+インターバル2秒 RegiStax5で彗星基準でスタック、20枚の中から12枚を採用

参考に70mm(112mm相当)の画像を20枚をスタックして画像2に示します。

画像2 ZTF彗星(C/2022 E3) 2023/02/01 20:58~21:12 EOSKissX7i +70-200mm4Lレンズ ISO-800 f/4 70mm(112mm相当)  15秒 20枚をスタック