ブルーウォーカー3は携帯電話電波の接続衛星として民間会社により打ち上げられ、今後100個程度が打ち上げられる計画です。スターリンクと同様に通信、インターネットが地球上のあらゆる所でも利用可能にする一方、その衛星の太陽反射光や影になることから(ブルーウォーカー3は一基で64平方メートルもあります)、天文学者等から研究への影響が心配されています。

そのブルーウォーカー3の通過予測がHeavens-Above(HA)で調べられるようになりました。そこで、横浜の光害環境下では厳しい条件になりますが写るかどうか確認しました。2022/12/12と2022/12/13が明るく見えるチャンス(HAによればそれぞれ2.2、2.1等級)、地上通過軌跡は岩手県、ISSであればクッキリと写る距離です。HAではそれぞれ672km、47°および641km、51°。12/12は撮影しましたが、12/13は残念ながら時間が取れず撮影せず。

以下に結果を示します。

画像1に通過時間帯2022/12/12 17:23~17:30に撮影した画像を比較明処理して示します。広角はやめて標準、望遠側にして撮ろうとも思いましたが初めての撮影でもありましたので11mmの焦点距離で撮影しました。画像の中央やや下の線は飛行機です。

画像1 北東に向けて撮影 2022/12/12 17:23~17:30 EOS-M6 ISO-400 f/5.6 11mm 10s インターバル2秒の繰り返し 比較明処理 赤丸で囲った領域に光跡線 → ブルーウォーカー3かどうかは不明

画像1のとおり連続した光跡線は見られません、時刻等、方向等をミスしたかと思いましたが赤い丸で囲った部分に光る線を見つけました。写っている画像を確認したところ2022/12/12 17:25:08の一枚で、その前後には光線は認められませんでした。見えていない理由として薄い雲の影響も考えられましたが明らかではありません。通過時刻もステラナビゲータ11で確認した本記事の最後に示す画像3の通過時刻と1分30秒ほどずれています。この結果からブルーウォーカー3ではないと思われましたが、さらにその写っている部分とそれに該当するステラナビゲータ11の画像をトリミングして比較すると一致しているのです。その画像をスライダー表示にして画像2に示します。スライドバーを左右に動かすと比較ができます。

画像2 光跡線の写っている画像のトリミングと同位置のステラナビゲータ11による画像の比較

実写画像とステラナビゲータ11の恒星全体にはわずかなずれも見られますが、光跡線やその周りの恒星位置は一致しています。これと同じ衛星があれば別ですがブルーウォーカー3の可能性もあると思いました。12/13の撮影チャンスを生かしたかったのですが残念、以後、チャンスは来年1月中旬以降になりますが、再挑戦して正否を確認したいと思います。(関係ないのですが暗い人工衛星の撮影例No.041“ひとみ”の撮影を思い出しました。焦点距離変えてみようかとも)

画像3 ブルーウォーカー3の光跡シミュレーション 2022/12/12