ターコイズ・フリンジと月食時の地球の影の大きさに関して補足データを追加しておきます。

1. ターコイズ・フリンジの色

ターコイズ・フリンジについてはNo.1092の第3項に撮ったそのままの写真のみを載せました。良く色が識別できなかったためです。以前の2018/01/31の皆既月食No.359を思い出し撮ったままの画像を見ると今回と同じような色で、そこでその時は色調を調整し少しでも青色が目立つようにしました。しかし、実際に撮ったままではないので原画と両方を載せました。

今回も公開されている月食写真を閲覧させていただきました。個人的には空を見上げ月食は赤いけれど黒く暗い印象でした。その印象に近い地味なものから色鮮やかなものといろいろ撮影例があるように、ターコイズ・フリンジも紫や、緑、青と様々でした。ターコイズ・フリンジの色は肉眼で確認したことはありません。しかし、前回も今回も画像は皆既食直前及び直後に影周辺領域が少し青味が混ざったようにも思え、ターコイズ・フリンジの見える説からすると色にばらつきがありそうと連想しました。しかし、…..。

自身で撮った写真を画像1に示します。スライダー表示にしてターコイズ・フリンジが目立つ色合いと、撮ったままの画像です。青色を強めにした画像は原画に色相、彩度、明度(暗め)を変更しただけです。三行目と四行目の皆既食終了時の明るい領域の色は青くなっています。また天王星の色はそれに似たような色になってしまい、それに連れてか逆に恒星も同じ色合いになってしまって不自然です。縁の明るい領域は一行目および四行目の月面は灰色っぽくなってしまい色編集したことが読み取れるでしょう。従って、これをターコイズ・フリンジと呼ぶわけにはいきません。

画像1 月食時の月の色

フィルムカメラの時、同じ景色なのにフィルムメーカー、フジカラー、サクラカラーでは全く異なった色合いになり、好みが分れていたように思います。フジカラーは青め、サクラカラーは赤めだったでしょうか。ターコイズ・フリンジもこれに似た色のばらつきがあるように思えてきました。

ここに掲載した画像はターコイズ・フリンジらしき表現にしましたが、勘違いを防止するために色編集した場合は原画の写真も載せています。

2. 地球の本影の処理とその大きさ

以前No.976に地球の影を表現する編集方法をまとめました。

基本はステラナビゲータ11による台紙作り。ステラナビゲータ11は地球の本影・半影の中心(月位置における宇宙空間スクリーンに描画)をキープしながら追跡、地上から見た月の位置を表示してくれます。月との距離の違いによる影の大きさは計算で補正されています。今回も同様の方法をとりました。時刻さえ指定すれば、地球の影を中心にして月の位置を示してくれます。連続で5分間隔で撮影した場合、アニメーションメニューを使用すれば5分間隔に設定すれば数十秒で台紙ができあがってしまいます。

初めはその方法で編集したのですが、ただ並べただけになり見た目も良くなく枚数を徐々に減らし数回編集をとおして9枚に。これが一番時間を要しました。太い円は半影、その内側の薄い線が本影です。その9枚に該当した画像の撮影時刻を入力して表示すると画像2のようになります。月輪郭 → 月面シミュレーション画像 → 実際の撮影画像を連続してアニメGIFにして示します。

画像2 地球の影の大きさを表示するための手順 ステラナビゲータで輪郭表示 → シミュレーション画像表示 → 実際の撮影画像

(今回の地球の影の大きさ)

この画像からおおよその地球の影が月の何倍に当たるか測定してみました。地球の本影の円と月の円を下記画像3と仮定して本影と思われる直径と月の直径をピクセルを求め計算すると2.73倍でした。影の部分が境界がぼやけますので少し大きめの円を拾っている可能性があります。同様の方法でステラナビゲータ11のシミュレーション画像で求めると2.69倍。フリーハンドによる画像のピクセル数ですので荒い測定でも2.7倍とほぼ一致していました。実際の直径がいくつになるかは正確に確認していませんが、調べた範囲では2.6倍や、約3倍と表示されていましたがもう少し調べてみます。

画像3 地球の影の大きさを知るために本影の円と月の円を描画