月は出ているのですが昨日よりも薄い雲が常時流れていて撮りにくい夜でした。しかし、BENRO POLARISにP1000を載せて、iOS最新のアプリV1.2.9、ボディファームウェア6.0.0.17、アストロキットファームウェア1.0.2.8にアップデートしていましたのでそのテストを。
POLARIS起動後、レベルで0.3度以下のずれ、iPhoneをボディサイドに押し付けてキャリブレーションの後、いきなりMOONをアライメント調整用に選択し、GoToしたところP1000の液晶モニターにはほぼ真ん中に月が表示されました。2,000mmに拡大し少しだけ微速度ジョイスティックでシフトさせTracking Start。ここまで数分。即撮れる態勢ってすごくない、ですか。
「虹の入江」領域のデジタルズームの際、高倍率になりますので画面上かなり上に移動させなければいけないのですが、この時はSLIK SMH-250[2軸微動雲台]を間に入れてありましたのでそれで調整しました。トラッキングは続けてそのまま。
最初に4K動画で枠のはみ出しを避けて1,800mm相当にして撮影、その後に、3,000mm×3.6倍=10,800mm相当にしてPOLARISがどのくらい我慢して追跡するか「虹の入江」を対象に確認しました。以下、結果を示します。
1. 月齢10.7
画像1は4K動画からPIPPを通してAS!3でスタック。11秒間の330フレームで利用率は10%。RS6でWavelet変換し、その画像を南北を縦軸に回転調整し、ホワイトバランスを調整。月の周りは少し薄い雲の影響でほんのりな光、霞調になっているのですがこの画像のままでは目立ちません。
画像1 月齢10.7 2022/08/08 19:56 COOLPIX P1000 4K動画 ISO-125 f/6.3 1/125秒 1,800mm相当 11秒間の全コマスタック
2. BEBRO POLARISの目標天体の導入と追尾性能
P1000の4K動画の最大倍率3,000mm×3.6=10,800mm焦点距離(P1000における450倍)にして確認しました。目標場所は「虹の入江、プラトンクレーター」です。撮影はPOLARISトラッキングオン、その後にトラッキングオフにして、それぞれ60秒間と30秒間の映像を撮影。
下記動画1はオン・オフの比較です。4K全体を640×360のサイズにしています。写りの画質ではなく画面内に留められているかどうかのチェックです。映像は最初にオフにした状態、後半がオンにした状態です。3倍速にして合計90秒を30秒に縮めて表現しています。トラッキングオン映像で、少しだけ左にずれているように思えますが三脚、カメラ固定方法、トラッキングの精度(月の追尾と恒星の追尾の差)等が影響していることが推察できますが明らかではありません。持ち合わせの光学道具、その焦点距離の選択、露光時間の設定、それに画像処理プログラム等と組み合わせて最適な条件を見つけ出すにはもう少し時間が必要です。秋になったら数百mmの焦点距離で星雲、銀河でも対象に自分自身で確認しようと思います。
動画1 月齢10.7の虹の入江とプラトーの拡大映像 2022/08/08 20:04 COOLPIX P1000 3,000×3.6=10,800mm相当4K動画(最初にPOLARISの追尾なし、次が追尾あり)