投稿欄の内容と重複する部分がありますが、記録として特集、参考記事に留めておくことにしました。次のステップHTV-Xが楽しみです。

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HTV-9はISSを離れて2020/08/20(JST)に大気圏に突入しました。今回がJAXAシリーズの最終号機でした。大成功を収めたその記念に切り離される前の実際に周回しているISSとHTV-9の地上からの撮影映像を載せます。COOLPIX P1000カメラ単体の撮影ですのでクッキリとはなりませんが、センタリング、カラー処理した初めてのISS再編集動画です、今までは白黒の映像のみの処理でした。

その前にHTV-9の写真を示します。写真1はHTV-9が日本から打ち上げられISSとドッキングする前にISSから写されたものです。NASA Image and Video Libraryで公開されている写真(NASAブログ含む)です。検索欄でHTV-9と入力すると該当写真が得られます。少しだけ説明を加えておきます。白い部分はメインエンジン部で、胴体の周りは太陽電池パネルで覆われています。この胴体の中に種々の物資が積み込まれています。

写真2はISSにドッキングしたHTV-9に続けて到着したクルードラゴンの姿を捉えたものです(スペースシャトル以来、米国でしかも民間のスペースX社がNASAとの協力で有人を宇宙に送り込む実用最終テストで成功したものです)。写真の右側がISSの進行方向でHTV-9はエンジン部を地上側(地球方向)に向けて駐機している状態です。

地上からのカメラ単体による動画撮影時(2020/08/06 19:00過ぎ)にはクルードラゴンは既に切り離されて地球に帰還していましたので、先頭部分は「きぼう」、「欧州実験棟コロンバス」とこれらを連結する第2共通結合機構(ハーモニー)にドッキングしているHTV-9です。写真2ではHTV-9の奥に「きぼう」棟が少しだけ写っています。手前はコロンバスです。「きぼう」棟は大型バスに相当する大きさで(実物大模型を見て)、「コロンバス」よりも横の長さは大きい実験室です。HTV-9がビール缶に見えてしまうのが何とも言えません。かなり大きいのです。

ISS全体の姿を見た方がわかりやすいと思われます、それは投稿No.711に示されています。1枚目はHTV-9はドッキングしている状態でクルードラゴンから実際に映したもの、2枚目はドッキング後の全体の構成を示したものです。

写真1 HTV-9 NASA Image and Video Libraryから ISSにドッキングする前

写真2 NASA Blogsから

キレイな詳細な画像のあとに望遠鏡等で捉えたクッキリ映像なら良いのですが、ボケ気味の映像を見せることに少し気が引けます。しかし、光る点にしか見えないISSを地上から撮影したものでも拡大撮影すればHTV-9が写っていることがわかれば満足感が増し載せたくなります。

その映像を動画1に示します。この映像は約1分間の映像をISSが被写体として捉えられている部分を取り出し10秒間の映像に縮めたものです。従って標準の再生速度と異なっていることに注意してください。映像を編集するにあたり、まず最初に4K動画をTIFF画像を取り出しました。この時点でISSの画面中央のセンタリング処理がなされておりカラー画像のままです。超望遠での撮影で、しかも手動追跡ですので連続してISSを映像中央に捉えることは困難で現実の映像は画面内を跳ねるように映ります。このためブレ、ボケのひどい画像等を削除したり拡大フレームにして前処理しました。再度TIFF画像を読み込み10秒間の動画に戻しました(モノ調に見えますがカラーです)。

動画1 ISSの拡大映像 COOLPIX P1000 2020/08/06 19:01~19:02 を再編集処理

映像の下が進行方向です。ほぼ、真上を飛ぶISSを頭上にカメラを向けて撮影しています。上昇段階では太陽が沈んだばかりで空の明るさで認識できず撮れていません。認識した後、動画撮影に入れたのは真上付近が最初で、以後、徐々に遠ざかる様子を捉えることになりました。明るく見える部分は全て太陽光の反射です。太陽電池パネルは両側に薄く広がる部分で中央には白く光るラジエーターが写っています。注目するのは先頭部分です。左側が「きぼう」、右側が「コロンバス」で、下から覗きこんでいる姿です。その実験棟の間にHTV-9が写っています。遠ざかるにつれてHTV-9は円柱状を斜めに見ている姿になります。HTV-9のドッキング付け根部分が黒く見えるのは太陽電池パネルの黒さよりもHTV-9の太陽による影が「きぼう」棟の部分に写っているように思えます。途中HTV-9の底面と思われる部分がキラリと光ったのは写真1のように白いメインエンジン部分のように見えます。これが私にとっては最後のHTV-9の姿でした。

関連投稿欄を以下に示します。投稿ページが多くなってしまったのは自身として今までにない画像、映像が撮れた満足感の表れかもしれません、お許し方。もっと精密な動画をご覧になりたい方はJAXAの[「こうのとり」9号機ミッションダイジェスト]が面白いと思います。

なお、動画のセンタリング及びカラー映像の処理について、情報、経験不足からモノ調しか処理できませんでしたが、「ほんのり光房」の久保庭様からのご教示で初めて処理化したものです。お礼を申し上ます。その処理化の方法については別途整理していきたいと思っています。

No.738 日没直後のISS拡大撮影 2020/08/06 19:01:33~19:02:58

No.739 日没直後のISS拡大撮影 2020/08/06 (その2) 動画とベストフレーム COOLPIX P1000 → 動画は白黒

No.740 AstroArtsへISS拡大写真のまとめを投稿 2020/08/02~2020/08/06 COOLPIX P1000

No.741 ISS拡大撮影 COOLPIX P1000と望遠鏡の実写比較 2020/08/02~2020/08/06