1. はじめに
COOLPIX P1000による天体写真をAutoStakkert!3.0で処理する流れを簡単に記述しておくことにしました。COOLPIX P1000の4K動画(COOLPIX P900の2K動画でも同様です)を例にします。静止画の場合も複数ファイルで取扱う以外同様です。
2. インストールファイル(参考用)
AutoStakkert!3.0をインストールしたフォルダーのファイル一覧を図1に示しておきます。なお、COOLPIX P1000の動画形式はMP4ですのでそのままでは処理してくれません。AVIの変換プログラムffmpegをインストールすれば自動でAutoStakkert!3.0を利用できるようになります。ffmpegはDLして解凍した後、AutoStakkert!3.0インストールフォルダーに全ファイルを置くだけです。
3. AutoStakkert!3.0処理の流れ
(1) 起動画面
起動すると2種類の画面が表示されます。画面の名称としてここではメインコントロールパネルと処理画像表示パネルと呼ぶことにします。図2にデスクトップ画面上の2種類の起動後画面を示します。
(2) 画像ファイルの入力
コントロールパネルのOPENボタンでファイル選択しますが、メインコントロールパネルまたは処理画像表示パネルのどちらかに動画ファイルをドラッグ・アンド・ドロップしても同様です。すると自動的にMP4からAVIの変換処理が開始されます。変換処理画面の最後の行に静止画にした場合のフレーム数が表示されます。また、処理終了後は処理画像表示パネルには画像が表示されます。これらをそれぞれ図3と図4に示します。
図4 ファイル変換が終了すると処理画像表示パネルに動画による静止画像が表示されます
(3) 画像のアライメントポイントAPの配置
スタック処理する際の画像の位置合わせのようなもので、「Place AP grid」ボタンを押して自動的に配置設定させます。ここでは土星の例ですが周りにグリーンの四角APが現れます。なお、通常はこの画面の左上にあるImage SizeとしてWidth/Heightは動画と同じ画像サイズにしています。4K動画なら3840×2160、2Kならば1920×1080、COOLPIX P900及びP1000の静止画なら4608×3456です。なお、図5のAP Sizeは24、Min Brightは10を普段は設定しています。
(4) Analyse処理
画面をメインコントロールパネルに移して「Analyse」ボタンを押します。解析が終了すると図6のように表示されます。グレイの波形は録画時間に対応した画像の品質を示していて、緑のラインは画像の良い方から並び替えたものです。
(5) 「Stack」処理
Stack Optionsに従って処理されます。Frame percentage to stack の25、50、75%
は画像全体のうち良い方から25%、50%、75%のフレーム数を使用してスタック合成します。図7は中央の「レ」点印の処理項目が全て終了したことを示しています。この例では25%の処理画像を出力した段階で、次のステップ50%の処理を実行し始めている段階です。
(6) 処理画像
処理画像がフォルダーにAS_stack_check_settings.pngのファイル名で出力されます。
それを図8に示します。以後、JPGに変換したりして画像ソフトを介して画像を調整します。