No.719に続いて、朝日新聞の記事の中に基本となる一枚写真の例が載っていましたので、この写真についてもカシミール3Dでシミュレーションしてみました。写真は説明欄に「天野秀光さんが、2011年5月19日午前4時27分、山梨県忍野村で撮影」と記述されています。画像は下記のとおりです。
https://www.asahi.com/articles/photo/AS20200603004366.html

カシミール3Dを利用した結果は図1~図3のとおりです。それぞれ、28mm、50mm、100mmのレンズとした場合です。ピタリでした(撮影者から当たり前と叱られますね)。やはり、心の持ちようなのか瞬間を捉えている写真なのだと意識して眺めていると、いいなぁ、このシャッターチャンスに巡り合いたいと思うようになります。

図1 カシミールによるパール富士のシミュレーション 2011/05/19 04:27 28mm

図2 カシミールによるパール富士のシミュレーション 2011/05/19 04:27 50mm

図3 カシミールによるパール富士のシミュレーション 2011/05/19 04:27 100mm

撮影場所は忍野村ですが、詳細は不明でしたので、逆にカシミールの作図結果を頼りに数回繰り返して場所を特定しました。(ダイヤモンド富士とか簡便な解析手法があるようですがそこまで使いこなせていませんでしたので試行錯誤です)。場所を外している可能性はありますが図4及び図5の地図の赤い線上のどこかで撮影されたはずと判断しました。周りの土地高低差で変化するようでしたので富士山頂、月と結ぶ直線の延長上としました。

ステラナビゲータでは当日の日の出は04:34でした。撮影時刻の04:27では太陽はまだ地平線の下ですが、薄明で空は明るくなっていたはずです。月齢は15.5です。カシミール3Dの画像では朝焼けは描けませんでしたが、写真ではきれいな薄い赤、瞬間映像の美しさを連想させられます。

図4 パール富士が撮影可能な場所 2011/05/19 04:27

図5 パール富士が撮影可能な詳細地図 2011/05/19 04:27