前報「No.1512 ひまわり9号による月食が見える可能性は?」と題して触れましたが、文章だけでしたので、これだと不十分と感じ、具体的な予測画像を示し記録メモとして残しておこうと思いました。

きっかけは「ほんのり光房」様の記事(「気象衛星に写ったかも知れない皆既月食」2025/09/20投稿)で詳しく説明されていたので、文章だけではなくデータで補足しておこうと。

前提は今のひまわり9号(8号も含みます)の定時撮影方式が続けられた場合、今後の月食が写る機会がいつ訪れるのだろうか、方法は前記No.1512の記事中のとおりステラナビゲータ利用によるものです。この方法による今までの画像確認実績から予測精度として、時間のずれは+-10分以内(画像1枚か2枚のずれ)、位置のずれは最大で緯度経度で+-10°と考えられます。ピタリの予想方法ではありませんがその時間帯、位置でほとんど百%近く見つけ出せていることには違いはありません(写っているはずと思っているので写っていない場合の確認の方が時間を要し大変です。月の場合は容易です)。

ひまわりの画像が公開されている2015年から現在まで、また今後2050年までの月食について写る可能性を確認した結果は以下のとおりでした。あわせてその対象リストの中で既に過ぎてしまった年月日の結果は判明していますので記しておきました。No.1512では1. 2. の他、3.も写らない可能性が高いとみて、4.および5.のみを列挙していたものです。

1. 2015年09月28日 皆既月食 北緯10°付近の地球背後を月食中通過 撮影範囲で困難か → 結果は写っていない
2. 2024年09月18日 部分月食 南緯10°付近の地球背後を月食中通過 撮影範囲で困難か → 結果は写っていない
3. 2026年08月28日 部分月食 地球南極付近の背後を月食中通過 予測精度と撮影範囲でほぼ写らないか?
4. 2034年09月28日 部分月食 北緯10°付近通の地球背後を月食中通過 撮影範囲でどうかは?
5. 2043年09月19日 皆既月食  北緯10°付近を月食中通過 撮影範囲でどうかは?

これらの結果を地球との位置関係で画像1に示します。地球の大きさ、月の大きさは任意です。月は地球の背後を左から右に変化します。10分間隔の月の位置、ひまわり画像の撮影領域を意識すると写る可能性はほとんどないように思えます。撮影領域を広げれば見えるのに、あるいは撮影時刻をずらせれば可能性があるのにと、想像ができるでしょう。現実として1.および2.の場合は上記のとおり写り込みは無しでした。特に1.の場合はせっかくのツーショットなのに残念としか。3. 4. 5.の場合は可能性だけは残しておきます。

ほんのり光房様の記述されているとおり、待っている間に別な人工衛星で実現する可能性があるかもと、そのとおりですね。でもひまわり9号の画像で見たかったので調べた次第です。

画像1 ひまわり9号による月食とのツーショット撮影可否の確認 2050年までの皆既、部分月食を対象