このTsuchinshan-ATLAS(2023/ A3)彗星はとんでもなく明るく見える彗星になりました。記録としてメモしておきます。(文末に2024/10/11時点の画像を画像2として追加しました)

彗星は太陽に最接近後(近日点通過)、2週間になりつつあり、折り返し、太陽から遠ざかり、途中、週末には地球に最接近します。今までは早朝の東の空に見えていましたが、来週10/14以降には夕方高度10°前後の西空に、また真っすぐ伸びた尾も見える可能性があります。彗星がほどほどの明るさを維持すればもっと高い位置に見え、一週間、いやカメラ、望遠鏡撮影では再来週までも可能と思われます。

自身で最近撮影した当該彗星はNo.1372です。近日点を通過し、朝方、東の空に見せていたものです。他に本ブログ中で関連として検索欄に”彗星“とすれば見られます。

今は彗星がちょうど太陽と同じ方向で一緒に並んでいるので太陽の明るさに負けて見えませんが(彗星が明るいので日中でもカメラ撮影では写せている例も公開されていますが、太陽光が目に入る失明の危険もありやめた方が良いでしょう、また望遠鏡等の器具も壊すリスクもあります)。とは言っても晴れたので今朝、9:30頃太陽を直視させず、太陽フィルターを使用しながらSeestarでトライしましたが見えません(写りません)でした。

一方、SOHO太陽観測探査機ではコロナグラフ(太陽をマスクして隠す)により彗星が見えています。昨日時点(10/10)のSOHO C3画像を画像1に示します。合わせてステラナビゲータによる太陽系での位置関係も示しました。時刻は世界時ですので、日本標準時には+9時間進ませます。

彗星は太陽に近づいて折り返し地球から見て太陽と地球の間を横切ります。その時に見えた画像が左上の画像です。画面いっぱいに尾の一部分まで写っていますが、太陽より手前を横切る姿として立体的に連想すると良いでしょう。彗星はこのステラナビゲータ画像では見かけ上、太陽、水星の向こう側からこちらに進んできていることをイメージすると良いかもです。遠くの太陽(マスクで隠されていますが)を見ているのに手前の彗星が邪魔している感じです。

参考にSOHO/LASCO (ESA & NASA)C3画像を彗星の写り始めから途中までを動画1に示します。途中太陽表面が爆発してCMEの影響等でチラチラと白い点等が舞っている様子が見えます。その中で左側に小さな光る点で、左に向かって移動しているのは水星です、逆に右側に進んで見え始めているのはおとめ座のスピカです。

画像1 彗星C/2023 A3の太陽系位置と同時刻のSOHO C3画像

動画1 SOHO C3画像に写った彗星C/2023 A3 紫金山・ATLAS

———-

追記:

上記本文画像2024/10/10 04:06 UTからちょうど1日経過後のSOHO C3画像を添付しておきます。視野から核は外れましたが尾がすごいこと。世界中で何人が見るんだろう。太陽と地球の間を横切る彗星です。

画像2 紫金山・ATLAS(ツーチンシャン・アトラス) SOHO LASCO C3画像より