金星が月(昼は月齢3.3~3.4)の裏に隠れ、約1時間後には再び現れる掩蔽前後(金星食)を観望しました。特に昼間は双眼鏡を通して青空に薄く青白く見える三日月の隣に強く光る金星の光景は美しく記憶に残るものでした。金星食を撮ると題していますが、厳密には金星食の開始終了時の接触状態ではなく、それぞれが離れた状態の撮影になりましたが、金星食の時に撮ったということに変わりはありません。
金星が月に接触してから隠れるまで、またその逆に月から姿を現し離れるまでは数分間と予想されていましたので、久しぶりにポラリエUにCOOLPIX P1000を載せることにしました。しかし、双眼鏡では見えるのにカメラに姿を捉えることに手こずり金星食突入の動画撮影を逃してしまいました。さらに、金星食終了段階もせっかく写野に捉えていたのに余計な調整をしたばかりに、またその姿を失い、タイミングを逃してしまいました。ダブルで撮影できないなんて「なんてこった」初心者以前、未熟者でした。
それでも金星食終了後のペア写真の撮影は続けました。今日のデータ処理で気が付いた事なのですが、結果として金星食前も焦点距離200mm級の試し撮りでは写っていたのです(モニターで写っていることに気が付きませんでした)。コンデジですので解像度は落ちますが利用します。
夕方は月齢3.5から金星は少し離れましたが、やはり明るい天体が並ぶと目立ちます。
以下、当日の撮影結果を時系列に整理すると共に来年までの金星に近づく天体(撮影チャンス)を調べてみました。
1. 昼の部(掩蔽/金星食前後)
結果としてファインダー内に三日月は入っていたのにモニターでは確認できず、月を捕捉し続けました。太陽とは違う方向なのですが明るく見にくく青い空に薄っすらとした月を区別できなかったためです。あっという間に時は過ぎ去りました。
整理している段階で焦点距離100~200mm程度(フルサイズ換算)で撮影した画像に月が写っていることに気が付きました。これらの写真を焦点距離200mmサイズに換算して整理した結果を画像1に示します。金星が月に隠れる時刻は13:49、再び全体が見えるのが14:39でした(横浜の場合)。
13:47~13:49の最も期待していたデータが無いのは「月はどこだっ、どこだっ」と捕捉、探していた最中です。双眼鏡で見えているのにと。いや、その時刻を過ぎても探していました(お笑いです)。録画ボタン押しておけば良かったか、でも大した写りは無かったのでしょう。13:47までは左側に光る金星が写っていて、その後の出現する段階も既に過ぎた時刻からの撮影になってしまいました。それには右側に金星が光っています。画像を拡大すると見えます。
画像1 各写真からクロップし同じ倍率の画像に変換 COOLPIX P1000によります、撮影条件はバラバラ
金星食終了後には月を捕捉しました、以後は外すことは無く撮影できました。
まずは動画を動画1に示します。焦点距離を3条件にして録画しました。それぞれ8秒間の映像を切り出して編集したものです。超拡大で撮影した映像は正に掩蔽前後に撮りたかったものです。もったいなかった。撮影時刻は15:13、15:14および15:15の順です。
動画1
次に静止画撮影した結果を載せておきます。全て掩蔽(金星食)終了後です。画像2~画像4に示します。最初から1,800mm、3,000×2.0倍=6,000mm、3,000×4.0=12,000mmの順に並べています。撮影時刻は14:53、14:54および同じく14:54です。
画像2~4
コントラストがつきにくい画像ばかりですが、月面をもう少し表現したく一枚のみを選択し調整しました。画像5に示します。2021/11/08 15:00 ISO-100 f/8 395mm(2,200mm) 1/400秒です。RegiStax6でWavelet処理し、DeNoiseAI処理しました。月面が良く表現できたと思います。危機の海もクリアに見えます。
画像5
ついでに太陽に向けて撮っておきました。画像6に示します。撮影時刻は15:28です。少し赤っぽく撮れてしまいました。撮ったままです。
画像6
2. 夕方の部
日没は16:40でした。今度は赤道儀なしです。画像7~画像10に示します。画像は17:37、17:35、17:36、同じく17:36の順に並べています。時刻が順番通りにはなっていません。月も金星も17:45には雲の中に消えました。月の左上に恒星の掩蔽があったようです。撮ってから気が付きました。
画像7~画像10
3. 来年までの金星に接近する太陽系天体は?
これから楽しめそうな金星に接近する天体について来年までについて調べてみました。見逃し等あるかもしれませんので再確認は要です。
2022/05/27 金星食は起こりませんが今回と同等に超拡大した月と金星を撮ることができそう。醍醐味のある写真を。
2022/05/01 金星と木星がかなり接近します。昇ってきたばかりの低高度ですが早朝なら日の出前の短時間木星の縞模様、ガリレオ衛星と金星を超拡大して撮れる可能性があります。
あと、2021/12/07と2022/06/26はNo.929並みに焦点距離200mm~300mmの月と金星の写真が撮れると思われます。